メリークリスマス! みなさん、イブですが、ゴルフ楽しんでますか? ゴルフ場のクリスマスもロマンチックでいいものです。さて、今週のテーマは「練習前のストレッチ」。寒い冬は特にちょっとしたことでケガをしやすくなります。最初から十分に体を動かすためにも、必ずストレッチをしてからスタートしましょう。

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ゴルフ場に着いてからスタートまで、みなさんはどんな風に過ごしていますか? ギリギリの到着は論外。余裕を持って到着して、朝ご飯を食べたり、お茶を飲んだりできれば一番いいですね。気持ちの余裕ができます。その後は、練習場でボールを打ちますか? パッティンググリーンでボールを転がしますか? どちらもいい時間の過ごし方ですが、それ以上に必要なのはストレッチ。球を打つ時間がなくても、これだけしておけば十分、という簡単なものをお教えします。寒い冬は特に、体全体を温める効果も大きいですよ。

アイアンを2本、ヘッドがそれぞれ逆になるよう互い違いに持ってください。バランス的にはPWと9Iくらいがいいかな。これを上手に使ってストレッチをします。

まずは前屈。子供のころからなじんでいる普通の前屈でいいのですが、特にハムストリングス(太もも裏全体の筋肉)を意識してください。お尻まで続くここの張り感がわかりますか? ここをよく伸ばしておきましょう。

クラブを使ってストレッチ
クラブを使ってストレッチ

次に体を斜めに倒して股関節を入れ込むストレッチです。左右バランスよくやってください。アドレスからスイングが終わるまで、股関節はゴルフではとても大切です。ここをしっかり意識することで、スイングが安定します。このあたりで体が温まってきたら、1枚、脱いで体を動かしやすくするのもいいですね。その手間を惜しまないことが、スコアアップにもつながります。

3つ目はクラブを体の後ろに回して、肩甲骨と脇を伸ばす運動です。自分の体だけではなく、クラブを使うことでよりゆっくり大きく、体を動かせることがわかりますか? ここが大事なところです。

4つ目は、できれば練習場の打席に立って行います。クラブを胸の前に抱えるようにしてシャドースイング。腕を振らないことで、体全体を使った動きができます。これを10回やったら、最後にしっかりフィニッシュを取る。終わったら、練習場をゆったりと眺めながら深呼吸して、スタートに向けて気持ちを高めます。

時間にすると10分もかからないようなストレッチですから、忘れずに、ぜひやってください。スタートから着ぶくれることもなくなるので、体も回ってバタバタせず、落ち着いたスタートが切れます。

それでは皆さん、良いお年を!!

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。実家は音楽教室で、瀬令奈は「セレナーデ(小夜曲)」から名付けられた。身長153センチ。ゴルフ好きの父について7歳でクラブを握る。小柄ながら小技が抜群で、2006年日刊アマ全日本女子に史上最年少の13歳で優勝。数々の実績をアマ時代に残す。11年プロ転向。17年ヨネックスレディースで初優勝。19年賞金ランキング35位。三和シヤッター工業所属。

◆取材構成=遠藤淳子(清流舎)

◆撮影=浅見桂子

◆取材協力=PGMゴルフアカデミー銀座(東京・中央区)