松山英樹(26=LEXUS)が、14年の米本格参戦から5年連続でエリートフィールドに生き残った。4打差7位から出て4バーディー、3ボギーの69で回り、通算14アンダーの266で15位。28位だったポイントランクは1つ上がって27位となり、上位30人のみが出られる最終戦のツアー選手権(20日開幕、ジョージア州)に進んだ。キーガン・ブラドリー(32=米国)が20アンダーで並んだジャスティン・ローズ(38=英国)とのプレーオフを制し、12年以来となるツアー通算4勝目を飾った。

松山はしぶとかった。「4日間の中で一番グリーンを外している。パットもなかなか決めきれなかった」。ここまで3日間はいずれも90%前後だったパーオン率が72・22%。9番パー5では2オンに成功しながら3パットでパーとした。後半14、15番と連続ボギー。それでも、16番で巧みな寄せからバーディーを奪った。順位は落としても、最終戦のチケットは死守した。

07年に導入されたプレーオフ。上位30人まで絞られるサバイバルを、松山は海を渡って以来5年連続でくぐり抜けた。8季連続で最終戦に残っていたクーチャー(米国)は第2戦で脱落。15年総合王者のスピース(米国)も今大会の結果で31位と圏外にはじき出され、13年からの連続出場が途絶えることが決まった。松山同様に14年からの“皆勤”はデー(オーストラリア)とリード(米国)しかいないことが難度を物語る。

昨季1位だったレギュラーシーズン終了時点のポイントランクは、今季76位。生き残った30人の中で最も低い位置からまくっていった。そのために6連戦を組んだ。さすがにこの試合は居残り練習をパスする日が増えていた。

自分のゴルフ、コンディショニングに集中するため、日本中が熱狂したテニスの全米オープンも、ほぼ見ることができていないという。「とりあえず休みます。(今週は)ゴルフはしません」と、言った。

この時点でマスターズ、全米、全英と来季メジャー3戦の出場権を確保。条件は厳しいものの、最終戦に勝てばボーナス1000万ドル(約11億円)が与えられる総合優勝の可能性もある。「パットをもう少し磨けば、もうちょっと上で争える」と貪欲に戦い続ける。

◆米ツアープレーオフ レギュラーシーズンのポイントランク上位125人が第1戦に進出し、第2戦以降は100人、70人、30人と出場選手が絞られていく。加算ポイントはレギュラーシーズンの4倍で、第3戦を終えた時点でいったんリセット。最終戦前のポイントランクに応じて1位2000ポイント、2位1800ポイント…とあらためてポイントが付与されるため、数字上は30位からの大逆転も可能。27位の松山のリセット後のポイントは142ポイント。総合王者には1000万ドル(約11億円)のビッグボーナスがある。