女子ゴルフの20-21年ツアーで1勝をあげた小祝さくら(22=ニトリ)が新春インタビューに応じ、コロナ禍に揺れた20年の振り返りと、統合シーズンとなった21年への思いを語った。昨年は9月のゴルフ5レディースで大会記録の通算17アンダー、199で優勝し、12月には全米オープン出場で初の海外メジャーも経験。同学年の畑岡奈紗や渋野日向子ら黄金世代と、成長著しい年下のミレニアム世代に刺激を受けながら、進化した姿で21年を迎えることを誓った。

   ◇   ◇   ◇

小祝にとっては成長も課題も強く感じる20年だった。コロナ禍の試合減で昨年は国内14戦に出場し、優勝1度を含むトップ10入り6回。試合数こそ違うが、現在賞金ランキングは過去最高の4位につける。一方で2度の2位を経験するなど悔しさも残し、目標の年間の複数優勝はお預けとなった。

「(20年の)後半に調子を上げられなかったのが痛かった。ショットが曲がってしまって悩んでいて、そのままパターも悪くなってしまった。もうちょっと何とかならなかったかなとは思います。パットが向上すればまた違うゴルフになる。ボールの転がりを順回転に直すこと。あとはラインの読み方も修正したい」

1998年生まれで、畑岡や渋野と同じ黄金世代を代表する1人。同世代選手らの活躍にも日々、刺激を受けている。

「ジュニア時代から一緒で、そういう子たちとツアーで戦えているのはうれしい。みんな練習の時なども仲良くやったり、試合以外でも一緒にご飯とか遊びに行ったりする人もたくさんいます。ずっとみんなで戦えていたらいいなと思います」

昨年はその黄金世代よりも年下で00~01年生まれの「ミレニアム世代」と呼ばれる選手らの台頭も目立った。

「刺激になりますね。みんな本当に上手でメンタルも強い。ルーキーとは思えないプレーをしています。今、すごくゴルフ界が盛り上がっているので、そういう時代にプレーできているのは恵まれているなと思います」

印象に残った選手には昨年2勝の笹生優花をあげた。

「あの子だけはちょっと違う感じがするんですよ。19歳とは思えないプレースタイルというか。技術もですが、あまりじっくり考えたりせず、すごく簡単に打っているイメージ。また他のみんなと違ったうまさがあると思います」

20年最終戦の全米女子オープンから帰国後、2週間の自主隔離期間を経て、年末年始は地元の北海道に帰省した。

「(隔離期間中は)パターとか素振りはしていましたが、私は早くゴルフがやりたいとかはなかったですね。家で映画やドラマを見たり、ジグソーパズルをしていました。ディズニーが好きで、今はダンボが終わって、美女と野獣をやっています。1000ピースです。ゴルフを始めてからずっとそればっかりやってきたので、なかなか家にずっといる時間もありませんでした。またこういう経験も貴重だなと思いました」

コロナ禍の影響で21年は20年との統合シーズン。プロ5年目を迎えた自身のキャリアについては「順調にきていると思います」と評価した。

「何歳までゴルフをしたいかはまだ決めていないですが、26歳ぐらいまでには賞金女王をとりたい。海外経験なども含めて、若いうちに経験しておきたいですね。結婚は30歳までにはしたいかな。競技を続けるかはその時にまた考えたいです。全然できなくもないと思っています」

苦難のコロナ禍も前向きにとらえ、小祝はさらに強くなって2021年のコースに立つ。【松尾幸之介】

◆統合シーズン 女子ツアーはコロナ禍の影響で「20-21年シーズン」となったため、賞金女王などのタイトルは21年の全日程終了後に確定する。20年は当初予定の37戦中14戦が実施され、21年の20戦を終えて計34戦を消化した時点で今季の賞金シード権などを打ち切り、その時点の賞金ランクを残り試合の出場優先順位とする。

◆小祝(こいわい)さくら 1998年(平10)4月15日、北海道北広島市生まれ。母ひとみさんが宮里藍の大ファンでレッスンに通ったことから、8歳でゴルフを始める。14年に北海道女子アマ選手権に優勝。17年プロテスト合格。本格参戦の18年はトップ10に13回入るなど賞金ランク8位に入り新人賞と敢闘賞を獲得。19年サマンサタバサ・レディースでプロ初優勝。158センチ、58キロ。家族は母と弟。