福嶋浩子が初優勝「一緒に戦ってくれた」姉晃子も涙

初優勝を決め号泣する福嶋浩子は姉晃子(左)から祝福され涙をハンカチでぬぐってもらう(撮影・下田雄一)

<女子ゴルフ:サイバーエージェント・レディース>◇最終日◇1日◇静岡・グランフィールズCC(6562ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 初優勝を果たした福嶋浩子(38)は開口一番、「すごくいい経験をしてきました」と言った。

 4番、5番の連続バーディーで2位に5打差つけて前半35も、後半は40と失速した。16番で4パットのダブルボギー、17番も1・2メートルのパーパットを入れられずにボギーとし、キム・ハヌル(27=韓国)に並ばれた。「よし、バーディー取って優勝だ」と臨んだ18番は、残り91ヤードの第2打がピンに当たってカップ手前50センチに落ち、バックスピンでグリーン手前まで転がり落ちた。「そこで冷静にならなきゃいけなかったのに、アプローチを入れにいってしまって」と照れ笑い。下り1・5メートルの微妙なパーパットを残してしまい、これを何とかねじ込んでのプレーオフだった。

 プレーオフ1ホール目は先にパーにおさめた。キムのパーパットが1メートルとあって「気持ちは次のホール(2ホール目)にいっていたので」、ボールがカップに蹴られると「驚いた」という。

 ティーチングプロの資格も併せ持つ。アマに教える時は教本通りの基本がすべて。そのうちに自らも「基本はこうなんだ」と再認識させられる。そうしてゆっくりだが、着実にツアー舞台の階段を上がってきた。

 応援に来た姉の晃子(42)の涙を見て「(姉は)私の苦しさも分かってくれていると。一緒に戦ってくれたんだと。(晃子自身が)予選落ちした会場に来ることなんてなかったはずなので、うれしかったです」。恩返しできた充足感に満ちていた。