松山英樹 ジカ熱怖い リオ五輪出場悩み中

強い日差しに顔をしかめる松山(撮影・亀山泰宏)

 【ダブリン(米オハイオ州)5月31日=亀山泰宏】米男子ゴルフの松山英樹(24=LEXUS)が、8月のリオデジャネイロ五輪への複雑な胸中を明かした。2日開幕のメモリアル・トーナメント(ミュアフィールドビレッジGC)に向けた練習後、ジカ熱の流行が問題になっている現状についての不安を口にし、五輪出場について「ギリギリにならないと分からない」と慎重に言葉を選んだ。

 14年に制した大会への意気込みを語っていた松山の表情が曇った。世界ランク3位のマキロイ(英国)らがジカ熱による影響で五輪を欠場する可能性があることについて聞かれ、「気にしている人は婚約者がいたり、結婚していたり、子どもがいたりする選手が多い。僕はしていないですけど、そういうのは気になります」と話した。自らの出場についても「ギリギリにならないと分からない」と言及した。

 112年ぶりに五輪の競技に復帰するゴルフの出場選手は、7月11日付の世界ランクに基づいて決まる。現在15位の松山の出場は確実な状況だが、現時点では候補の1人にすぎず、日本オリンピック委員会(JOC)や、ゴルフの五輪競技対策本部からジカ熱に関して連絡はない。「誰からも情報が入らない。そんな状態で行けと言われても、ちょっと不安はありますよね」と苦笑交じりに話した。

 ジカ熱予防には蚊の対策が不可欠だが、屋外で長時間プレーするゴルフでは対策を取るのは難しい。松山は2週後の全米オープンから世界選手権シリーズのブリヂストン招待、メジャーの全英オープンと全米プロ、さらに五輪が中1週で続く過密日程が続く。その中で覚悟を決めて五輪に出場しようにも、懸念を払拭(ふっしょく)する後押しがない現状へのもどかしさが言葉の端々ににじんだ。

 日本の第一人者としてメダル獲得を期待される立場は理解している。「例えば僕が断ったら、出ないと言ったら、どうなるのか。(世間の反応が)ちょっと怖い」と本音ものぞかせた。「どうなのか分からないですよね(リオの)現状は。大丈夫なのかもしれないし、ダメなのかもしれないし…」。判断できるだけの情報が足りていない。最後まで、悩ましげだった。

 ◆ジカ熱 蚊が媒介するウイルス感染症。症状は発熱や発疹、目の充血などでいずれも軽く、約8割の人で症状が出ないとされる。中南米を中心に昨年から流行が拡大。新生児の小頭症のほか、感染者本人に手足のまひを伴う病気「ギラン・バレー症候群」を引き起こす可能性も指摘されている。ワクチンはなく、予防には蚊の対策が不可欠。

 ◆リオ五輪のゴルフ 男女とも7月11日時点の世界ランクで代表が決まる。各国・地域とも「15位以内」に3人以上の場合は最大で上位4人、それ以外の場合は上位2人。現時点なら日本男子は15位の松山、86位の池田勇太が代表となる。海外勢ではスコット(オーストラリア)、ウェストヘーゼン、シュワーツェル(ともに南アフリカ)ら大物が過密日程などを理由に辞退する意向。元世界1位でメジャー3勝のV・シン(フィジー)はジカ熱の影響を危惧して欠場を表明。マキロイ(英国)はジカ熱の影響を懸念し、欠場の可能性が出てきたと報じられている。