大堀裕次郎2位 谷口徹に弟子入りの小技が威力

16番、ティーショットを放つも右手を離す大堀(撮影・中島郁夫)

<男子ゴルフ:パナソニック・オープン>◇第2日◇21日◇千葉CC梅郷(7130ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 大堀裕次郎(25=フリー)が7バーディー、1ボギーでこの日ベストスコアの65をマークし、通算7アンダーの135で首位と2打差の2位に浮上した。谷口徹に弟子入りして磨いた小技が威力を発揮。サッカー日本代表FW本田圭佑と同じ所属事務所で注目を集めてきた、松山英樹&石川遼世代の一角が、初優勝へ絶好の位置につけた。

 今季4試合目で初の予選通過とは思えない大堀の爆発だった。前半で3つスコアを伸ばし、スイッチが入った。11、12番の連続バーディーは「打ったら入る感じがした」。キャディーに「カップがバケツくらいに見える」と言ったほど自信にあふれ、さえ渡ったパット。3月に宮崎で谷口の指導を受け「うまい選手はすごくシンプルに考えている。ハンドファースト目に構えて、決め打ちする」とヒントを得た。合計25パットはこの日最少タイだった。

 松山、石川に後れを取ったとはいえ、14年東建ホームメイト杯ではいきなり首位発進を決める鮮烈なプロデビューを飾った。しかし、結局そのシーズンは8試合で予選通過がわずか2度。賞金ランクも130位に沈んだ。苦しんでいた時、ツアー通算6勝の武藤俊憲に声をかけられた。

 武藤 もっと簡単に稼げると思っていただろう?

 大堀 なめてました。

 武藤 ここは10万、20万を稼ぐ世界じゃない。100万、1000万という大金を稼ぐ世界なんだ。

 武藤は「あれ以降『一緒に練習ラウンドを回りましょう』と誘ってきたり、自分から教えを請う積極性が出てきた」と当時を振り返る。武藤の師匠である谷口の合宿に参加する際も「教えてもらいたいなら自分でお願いしろ」と言われ、ためらわず電話をかけた。貪欲な姿勢は着実に結果へつながりつつある。「初優勝して日本シリーズに出たい」。夢をかなえるチャンスを逃すわけにはいかない。【亀山泰宏】

 ◆大堀裕次郎(おおほり・ゆうじろう)1991年(平3)11月20日、兵庫県生まれ。10歳でゴルフを始め、06年日本ジュニアで3位。中学生の日本代表「チームジャパンジュニア」に石川らとともに選出された。大阪学院大4年時の13年関西アマ、日本アマ優勝。15年には下部ツアー富士ホームサービス・チャレンジで優勝。昨季賞金ランク41位で初のシードを獲得した。182センチ、80キロ。