引退の妹藍は「宮里家のシンボル」/宮里優作に聞く

日本プロゴルフ選手権最終日、地元沖縄で優勝を決め家族と記念写真に納まる宮里優作(中央)、左端から聖志、父優さん、1人おいて母豊子さん、藍(17年5月撮影)

 男子ゴルフの宮里優作(36=フリー)が27日、岡山で開催されているミズノ・オープン第3ラウンドのスタート前に前日26日に今季限りでの現役引退を発表した妹宮里藍(31=サントリー)について語った。

 一問一答は以下の通り。

 -引退をいつ聞いた

 宮里優作 初めて聞いたのはお正月ですね。1月に彼女の方から話をもらって、最初ビックリしましたけど、すごい軽い感じで、僕もビックリしましたけど、彼女なりにいろいろ考えて出した答えだと思うので。正直、僕も話をもらって残念というか、もう少し見てみたい気持ちもあったんですけど、彼女の人生ですし、彼女が決めることなので、家族として彼女の決断を後押ししたいというのが、僕の思っているところです。

 -どんな言葉で伝えられた

 宮里優作 「今年で引退する」って言われましたね。ストレートに。「えっ」っと思ったんですけど「そうか」って。(その時の表情?)何て言うんでしょう…解放されたような感じでしたね。ひと言で言うと。すごく明るかったです。

 -どんな言葉をかけた

 宮里優作 どちらかというと、僕は前向きに捉えていたので「残りの試合、どんな試合でもいいから勝って終わりたいね」という話をしました。

 -聞いた時は家族も一緒に

 宮里優作 そうですね。でも、親の方には、もう言っていたと思うんですよね。本人が僕の方にも直接会って、ちょっと話をしたいと。

 -家族の反応

 宮里優作 あまりみんな変わらず、そこまでガッカリすることもなく。でも、いろんなことを察しているのか「よく頑張ったね」という言葉をみんなでかけましたね。

 -引退の理由は聞かされた

 宮里優作 どうでしょう、詳しくは僕も、逆に突っ込まなかったですね。アメリカの方に単身でいっていますし、いろいろ経験してきて、その結論を出したと思うので、詳しくは突っ込まなかったです。

 -宮里藍選手から受けた影響

 宮里優作 いやー、たくさんありますよ。ありすぎて、ちょっとまとめるのが難しい。僕はホントに宮里藍のファンなので、ゴルフを引退しても、これからもファンであることは変わりないですね。

 -ゴルフ界への貢献

 宮里優作 どうやっても、彼女くらいの選手が出てくるかどうか分からないくらいの選手でしたし、ゴルフ界を新しく変えた選手だと思うし、僕がこれから彼女くらい貢献できるかどうか分からないですけど、今のジュニア、特に女子ゴルフのジュニアから上がってきた子たちは宮里藍を見て育ってきたと思うんですよね。僕たちもそういう存在にこれからなれるように、そういう若手を育成できるようにしていかないといけない。それが彼女のやってきた最大の貢献だと思う。

 -今あらためて、どんな言葉をかけたい

 宮里優作 また新しい人生がスタートするので、頑張っていこうねという感じですね。日本に帰ってくるのか、アメリカにいるのか分からないですけど、今までよりは会える回数が多くなると思いますので、そういう意味では楽しみではあります。長く現役でいるというのは、ものすごく大変なことでもある。とりあえず、ゴルフ人生に関してはお疲れさまと言いたいですね。

 -優勝した5月の日本プロは宮里藍選手が見にきていた

 宮里優作 彼女が見に来ることは、あまりないことなので、あまり意識はしていなかったんですけど、何となくいいゴルフを見せたいなというのは自分の中でありました。これが最後ということでもなかったので、少しでも僕のゴルフが参考になればなということしか考えていなかったですね。

 -優勝した時のインタビューでは言えなかった気持ち

 宮里優作 ホント、皆さんに申し訳ないなと思っていて(笑い)。彼女の口から言うまでは伏せておいた部分もあったので。お兄ちゃんのいいところはあんまり見たことがないと思うので、たくさん見せられたらいいなと思っていたんですけど、あんまり僕も深く考えずに、彼女もいつも通りに接してくれたので、僕もいつも通りっていう感じが印象的でしたね。

 -引退を知らされて、自分のシーズンに臨む気持ちにも変化はあった

 宮里優作 僕の中で刺激というか、いつもと違う感じはあったかもしれないですね。ただ、彼女と話す時は「あと何試合しかないね」とかは話しますけど、意外と変わらずというか、ウチの家族がそうなのかもしれないですけど、あまり引退することに関して悲観的ではなかったですね。一緒に今年は頑張ろうよと。

 -引退を決めた後、一緒にラウンドは

 宮里優作 回ってないですね。その(伝えられる)前に12月には回ってますけど。

 -以前、引退について話したことはあった

 宮里優作 彼女はロレーナ・オチョアと仲が良かったんですよね。ロレーナの引退を見て、引き際というか、そういうのを少し話したことはありますね。現実としていつになるのかという話はなかったですし、そういう状況でもなかったので。彼女の中で、ロレーナ・オチョアという選手の影響は少しあったと思います。

 -今後の話は

 宮里優作 まだ聞いてないんですよ。逆にいろいろやってもらおうかなと思っているくらいですけど(笑い)。(ゴルフ界には携わってほしい?)携わってほしいですね。与える影響が大きいですし、いろんなことを経験してきている選手ですから。本人の意向もあるので、詳しくは全く聞いてないですけど。

 -宮里優作選手にとって、一家にとって、宮里藍選手という存在

 宮里優作 ウチの、宮里家のシンボルですね。プレーヤーである前に、家族であり、妹ですので、かけがえのない存在であることは変わらないんですけど、あんなに小さな子がクラブを持つと、あんな風に変わってしまうというのは、すごくギャップがあって、僕たちにとっていい刺激になっていました。

 -今後、試合へ応援に行こうという予定は

 宮里優作 行きたいんですけどね…彼女が出る試合はビッシリ(自分の試合と)かぶっちゃってるんですよね。予選落ちしたら、ちょっと考えようかなとも思うんですけど、手を抜くわけにはいかないから、そうもいかない(笑い)。その時はその時で、事前に皆さんに言います。男子ツアーを取材する記者さんがゴッソリ向こうに持ってかれるのも複雑なので、その辺はちょっと考えますね、すいません(笑い)。