宮里藍「パターがイップスになった」/一問一答2

引退会見に臨み最後のあいさつで感極まる女子プロゴルファーの宮里藍(撮影・小沢裕)

 引退を発表した女子ゴルフの宮里藍(31)が29日、都内のホテルで会見を開いた。

 -日本中が引退発表の時、驚いたが

 宮里 アメリカツアーの選手からも直接、連絡をもらいました。いろいろ考えて、このタイミングになった。シーズンが終わってからみなさんに発表しても良かったが、1試合でも多く自然体で臨み、それが優勝につながればいいと考えました。日本の試合に出るのは(もう)少ない。みなさんに(引退を)伝えて、たくさんの方が見に来てくだされば、それはすてきなことだと思いましたので、このタイミングの発表になりました。

 -まだまだやれると思っている人も多いが

 宮里 そう言って頂けるのはうれしいが、戦い続けるのは、今の自分には足りない。プロとして結果を出すのは、今、モチベーションがあるのは期間限定です。(引退を)決めたことで(モチベーションが高く)プレーができていると思っています。09年に勝って、プロゴルファーとしてピークを迎えている自負があった。それなのにメジャーで勝てない。1番いい時にメジャーで勝てなければ、次はどうしたらいいのかを考えて(自分を)見失ってしまった。どう立て直したらいいのか。そこが1番難しかった。アメリカツアーは移動も多く、芝も、天候も変わる。いろんな引き出しを作るのに、私の場合は時間がかかった。1度、自分が分からなくなった時があった。今まで戦えていたのに、戦えなくなる。武器が、武器でなくなっていた。

 -両親に伝えたいことは

 宮里 父はコーチとしても、たくさんケンカをした。素直じゃない私に、歩み寄ってくれた。本当に両親には感謝の気持ちしかない。ありがとうございますと伝えたい。

 -自分に向き合えなくなった具体的なきっかけは

 宮里 12年の全てのメジャーを終えた時でした。メンタルコーチと、初めて話したのは、その後のカナダでの試合でした。そこで初めて、自分の中で次、何を目標にしたらいいか話をした記憶がある。メンタルコーチは「焦らなくてもいい。どの選手にも1度はある。模索してもいい」とアドバイスを頂いた。どうしていきたいか探す最中に、パターがイップスになってしまった。パターが得意だったので、どうにか乗り越えて終わりたいと思っていました。最終的に(全ての苦難が)優勝につながってくれればいいと思う。ゴルフは不思議なもので、調子がいいからといって結果が出るものではない。前回の中京では自分が思い描いていたものが出せた。

 -座右の銘は

 宮里 意思ある所に道は開ける。この座右の銘はこれからも大事になると思います。本当にプロとして強くなりたい。ジュニア時代からそう思い続けてやってきましたし、それが形になった。今後については自分の気持ちに正直に、やりたいことを模索していきたい。(引退後の)次の意思は固まっていないのですが、それでもいいのかなと思っています。

 -昨夏に引退を決断したきっかけは

 宮里 8月くらいに3週間くらい時間をもらえた。自分の気持ちについて考える期間が、初めてもらえた。今までモヤモヤしたまま、試合をこなしていかなければいかず、それが難しかった。その3週間の(休養の)タイミングで、自分の中でしっかりと考えることができた。