練習に飢えている松山、視線は来月全英、8月全米へ

6番でティーショットを放つ松山(撮影・亀山泰宏)

<米男子ゴルフ:全米オープン>◇最終日◇18日(日本時間19日)◇ウィスコンシン州エリンヒルズ(7741ヤード、パー72)◇賞金総額1200万ドル(約13億2000万円)優勝216万ドル(約2億3800万円)

 松山英樹(25=LEXUS)が残る今季メジャー2試合で悲願達成に挑戦する。7月の全英オープン(20日開幕、英ロイヤルバークデールGC)前は欧州ツアーに参戦。リンクスの経験値を高めて“本番”に臨む。8月の全米プロ(10日開幕、ノースカロライナ州クウェイルホロー・クラブ)は相性も悪くないコースが舞台とあって期待が高まる。

 松山は次戦が全英前哨戦となる。欧州ツアーのアイルランド・オープン(7月6日開幕、ポートスチュワートGC)。大会ホストを務めるマキロイ(英国)サイドからの熱烈なラブコールもあって例年にないスケジュールを組むことになった。英国独特の荒れやすい気候や海辺のリンクスを体験できる意味は大きい。全英にはロンドン在住の日本人シェフを呼んで「食」を支えてもらっているが、今年は「アイルランド-」からお願いして万全の準備を進めていくとみられる。

 直近のメモリアル・トーナメント後、スイング改造に着手し「ショットに関しては、だいぶいい感じのものがつかめそうな雰囲気は出ている。それをいかに練習で詰めて、次の(アイルランドでの)試合で生かして、全英にいくかだと思う。あまり休まず、練習したいなというのが今の気持ちですね」。4日間を終えた直後にもかかわらず、口にしたのは練習への飢え。早くも視線は次を向いている。

 8月の全米プロは毎年ウェルズ・ファーゴ選手権が行われているコースが舞台。「ウェルズ-」は14年38位、15年20位、16年11位と別会場で行われた今季を除く過去3度の参戦で予選落ちがなく、成績も右肩上がり。16、17、18番の上がり3ホールは「グリーンマイル」と呼ばれ、ツアー屈指の難度を誇るが、決して相性は悪くない。

 「いいショットが今日も打てましたし、2日目も打てましたし、回数は増えてきている。それをもっと、自信を持ってやっていければ、優勝のチャンスも増えるんじゃないかなと思う」。完璧主義者である松山の言葉だけに期待は膨らむ。

 ◆男子ゴルフのメジャー マスターズ・トーナメント、全米オープン選手権、全英オープン選手権、全米プロ選手権の4大会で、抜群の歴史や権威を持つ。いずれも米、欧州の両ツアーに組み込まれ強豪選手が集う。4つを全て制する「生涯グランドスラム」の達成者はベン・ホーガン、ジャック・ニクラウス、タイガー・ウッズ(いずれも米国)ら5人。メジャー通算最多優勝はニクラウスの18度で、14度のウッズがこれに続く。