小田孔明に座禅効果「背筋がピーン、調子良くなる」

1番で笑顔を見せる小田孔(撮影・狩俣裕三)

<男子ゴルフ:長嶋茂雄招待セガサミー・カップ>◇第1日◇6日◇北海道・ザ・ノースカントリーGC(7178ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 小田孔明(39=プレナス)が4バーディー、ノーボギーの今季ベストとなる68で回り、首位と4打差の18位につけた。前戦ツアー選手権森ビル杯で8試合ぶりに予選を通過して迎えた中断期間では、精神面の安定に取り入れている座禅を組んでメンタルを整えた。地元福岡・飯塚市からほど近い朝倉市などが記録的な豪雨に見舞われ、強い気持ちでバーディーを量産する。

 14年の賞金王、小田孔が着実に復調の兆しを見せている。今季初のノーボギーで今季ベストスコアをマーク。「もう少しバーディーが取りたかった」と貪欲に振り返るあたりも、手応えの裏返しだ。後半は11番から3連続バーディー。特に13番パー5は右に曲げた第1打が木の根に止まり、第2打はフェアウエーへ出すだけ。「9番アイアンが折れたかと思った」という衝撃で指がしびれながら、第3打も同じ9番アイアンで6メートルにつけてねじ込んだ。

 棄権を含め7試合連続で決勝ラウンドへ進めない負の連鎖を6月の前戦で断ち切り、迎えたツアー中断期間。まずはクラブ調整のため契約を結ぶホンマの山形・酒田工場へ出向いた。そして、予選落ちが続いた時期も訪れた兵庫の十禅寺を訪れ、座禅で精神統一。「3回くらいたたかれたけど、背筋が“ピーン”となって調子が良くなるんですよ」。かつて長年コンビを組み、現在は松山英樹の専属トレーナーを務める飯田光輝氏の帰国時期も重なったため、トレーニングを見てもらう機会にも恵まれた。「左の下半身が弱い。そこをトレーニングした方がいい」と助言をもらった。

 前日は福岡や大分を襲った豪雨の一報を聞き、実家や知人に片っ端から連絡した。「僕の住んでるところから山を越えれば、すぐ朝倉ですから。実家のある添田の方もやばかったみたいですし、みんなから『雨を吹っ飛ばすようなバーディーを取ってくれ』とメールが来て。みんな大変だと思うけど…」と思いやった。

 「もう、あの時の絶不調はない。アイアンのキレは戻ってきたしあとはドライバーがもう少し」。14年には石川遼とプレーオフで激闘を繰り広げた相性いい舞台で、完全復活ののろしを上げる。【亀山泰宏】