松山「不安定に尽きる」フェアウエーキープ率36%

最終ラウンド18番 14位タイでホールアウトし、悔しそうに引き揚げる松山(撮影・狩俣裕三)

<米男子ゴルフ:全英オープン>◇最終日◇23日◇英国・ロイヤルバークデールGC(7156ヤード、パー70)◇賞金総額1025万ドル(約11億7875万円)◇優勝賞金184万5000ドル(約2億1217万5000円)

 【サウスポート(英国)=亀山泰宏】松山英樹(25=LEXUS)が最初の1打に泣いた。1番のティーショットがOBとなるなど、3バーディー、2ボギー、1トリプルボギーの72で回り、通算2アンダーの278で14位。日本男子初のメジャー制覇という夢は、8月10日開幕の全米プロ選手権(ノースカロライナ州クウェイルホローC)に持ち越された。通算12アンダーのジョーダン・スピース(23=米国)が第1日から首位を守る完全優勝でメジャー3勝目。6人目の生涯グランドスラムへ、全米プロを残すのみとなった。

 3番ウッドを振り抜いた松山のボールが、右へ右へと残酷な軌道を描いて柵外へ消えた。まさかのOB。打ち直した後の第4打もバンカーに入れ、5オン2パットで「7」をたたいた。

 この日、最も難度が高かった1番。7打差から首位を追う上では痛恨だった。「ボギーとかダブルボギーで収まっていたら、もう1回、気持ちを入れ直してという感じだったと思うんですけど…トリプルボギーにして、何て言うんですかね…うまく切り替えられなかったっていう感じはありますね」。言葉を選びながら、ダメージの大きさを認めた。

 「練習場でもすごく悪かった」とショットの状態に不安を抱えていた。スタート前の練習場で必ず2度に分けて握るドライバー。「練習は絶好調だった」という前日のように感触が良ければ合わせて2、3球で切り上げる。この日はなかなか納得できず、10球を要した。同じ左からの風が吹いていた3日前は、3番アイアンでフェアウエー中央を捉えていたが「難しいというか、すごく気を使う感じだったんですけど、やっぱりうまくいかなかった」。フェアウエーキープ率は4日間で最も悪い36%。「ショットが不安定だった。それに尽きます」と首を振った。

 優勝だけを狙う松山からすれば、気持ちを奮い立たせるのも難しいであろう絶望的な10打差から17ホール。必死に粘り、14番で3メートルのパーパット、17番でもバンカーショットがショートした後のバーディーパットを何とかねじ込んだ。4日間で3パットはなく、平均パット数1・54は全体9位。グリーン上は優勝したパット巧者スピースを上回るスタッツを記録した。

 「自分の技術のなさ。残念な1週間」と総括し「きっかけをつかめそうだったのが、またなくなってしまった。次、何をしなければいけないかを考えたい」。8月3日開幕のブリヂストン招待に向け、ショットの立て直しに思考を巡らせた。その翌週には今季最後のメジャーがある。歩みは止めない。