松山英樹もう一つの夢プレーオフシリーズ王者も視野

松山の全米プロ選手権成績

<米男子ゴルフ:全米プロ選手権>◇第1日◇10日◇米ノースカロライナ州クウェイルホローC(7600ヤード、パー71)

 松山英樹(25=LEXUS)による夢への挑戦が始まった。日本男子初の頂点を目指す今季最後のメジャーが開幕。現在フェデックスポイントランクでもトップに立ち、全米プロ後に始まるボーナス1000万ドル(約11億円)をかけたプレーオフシリーズでも総合王者へ最も近い位置にいる。さらには世界選抜のエースとして臨む9月のプレジデンツ・カップも控え、シーズンの最後まで大舞台での活躍が期待される。

 全米プロ開幕前日、松山は珍しくコースには出なかった。練習場で約2時間の調整を終えると、軽快な足取りで引き揚げた。「何人もの日本人がチャレンジして取れていないものを、取れるように頑張りたい」。前週世界選手権シリーズのブリヂストン招待を制し、優勝候補筆頭の評価もある。かけられ続ける悲願への期待は今週、かつてないほどに膨らんだ。積み重ねてきた練習量の多さは言うまでもなく、進藤大典キャディー(37)らチームでのコースチェックも抜かりない。最後はコンディションに重きを置いた形だ。

 最初にして最大の関門を突破した先に、夢の続きが待つ。超破格のボーナスをかけた4試合のプレーオフシリーズ。加算ポイントはレギュラーシーズンの4倍で、第3戦を終えた時点でいったんリセット。最終戦前にポイントランクに応じてとあらためてポイントが付与されるため、大逆転も可能な形となっているが、トップが最も総合王者に近いのは言うまでもない。前週の優勝会見では「やっぱり勝ちたいなと思いますけど、プレーオフシリーズに入ってから勝たないと、なかなかチャンスはないと思う。いい状態をキープできるように頑張りたい」と意欲をにじませていた。

 さらにはシーズンの締めくくりとなるプレジデンツ・カップ。3度目の出場となるが、過去2度のチーム内で世界ランクは6番手と4番手だった。今回は現時点でチームトップの3位。11大会でわずか1勝、6連敗中と苦しむ世界選抜のエースとしての働きが求められる。海外メディアからの質問にも「僕が今年3勝してるので上にいますけど、みんなの力を出せばそこまで(米国選抜と)差はないと思いますし、接戦にはなると思います」と自覚をのぞかせていた。今週も今後も松山は世界中の期待を集め続ける。【亀山泰宏】