石川遼、入れ替え戦へ「勝ってやろうという気持ち」

通算7アンダーで終えて佐藤キャディー(左)と握手を交わす石川(撮影・亀山泰宏)

<米男子ゴルフ:ウィンダム選手権>◇最終日◇20日(日本時間21日)◇ノースカロライナ州グリーンズボロ・セッジフィールドCC(7127ヤード、パー70)◇賞金総額580万ドル(約6億3800万円)優勝104万4000ドル(約1億1500万円)

 33位から出た石川遼(25=CASIO)は1バーディー、1ボギーの70と伸ばせず、通算7アンダーの273で42位となった。

 5番でバーディーが先行。第2打がグリーン奥にこぼれた10番ではアプローチのミスからボギーをたたくと、その後はバーディーパットがわずかな差で決まらず、最終18番も2メートル弱が外れてパーでフィニッシュ。グリーン上で苦しんだ印象だが、ショットへの反省が口をついた。「スイング的に今日が一番“キレ”がなかった」。ドライバーが大きく右へ出た14番、第2打をグリーン右のバンカーへ突っ込んだ15番を挙げ「同じようなミス」と悔しがった。

 公傷制度の適用を受けて臨んだシーズンはポイントランク175位。シード確保には届かず、1週間の調整を挟んでネーションワイド小児病院選手権(31日開幕、オハイオ州立大GC)を皮切りとする米下部ツアー入れ替え戦4試合が始まる。13年も経験した、翌シーズンの出場権をかけたサバイバル。当時は第1戦の予選落ちから3試合連続トップ10入りで生き残った。「『2度とここに戻りたくないな』と思ったことは覚えている。あの時はドライバーもスプーンも、なるべく曲がらないように全部低い球ばかり。守り、守りのゴルフだった。今考えてみると、何をそんなに守る必要があるんだろうと思うし、アメリカに来てからそういう姿勢になってしまっていた」と振り返る。

 シードを逃した選手は誰もが必死であり、下部ツアーからは勢いのある選手がのし上がろうと意気込んでくる。甘くない場所であることを承知の上で「でも今は、そういう(ネガティブな)気持ちはゼロですかね。(入れ替え戦で)勝ってやろうという気持ちしかない。4試合で実力の100%が出る、その実力を受け止める覚悟もしている。ダメだったら、それまでの実力で、もう1回立て直す、やり直すっていう感じなのかな」と腹を決めている。

 この地で勝負する決意には、いささかのブレもない。「ここ(米ツアー)で勝つということに対しての目標、夢というのは持っている」。はっきりと口にした後で「(現状が)自分のポジション、実力だと思う。そういところからはい上がって、やっていかなきゃいけない。でも僕、苦しい経験も多いですけど、自分の居場所というか、これをもっと上げていきたいというモチベーションが、すごくある。来年もここにいられるように、これからの4試合、攻めの気持ちでやっていきたい」。夢を追い続けるためにも、必ず生き残る。