石川遼来季米ツアー逃す 年内は日本専念し道探る

通算9アンダーとスコアを伸ばしたものの、来季の米ツアー出場権を逃した石川(共同)

 石川遼(26=CASIO)が来季の米ツアー出場権獲得を逃した。最終日はボギーなし、5バーディーの66で回り、通算9アンダー275の40位に終わった。入れ替え戦4戦の獲得賞金ランクで25位以内を目指したが、31位にとどまった。翌シーズンの出場権を得られなかったのは本格参戦5年目で初めて。年内は12日開幕の日本オープン選手権(岐阜関CC東C)を皮切りに日本ツアーに専念し、来季の主戦場を熟考する。

 小雨も降る空のもと、ホールアウトした石川は気持ちを落ち着かせて口を開いた。「非常に悔しい思いでいっぱい。自分の技術、実力を信じることができなかった。技術的に下手になっている。ゴルフ力、総合力が落ちている」。胸にくすぶる悔しさを抑え、来季の米ツアー出場権を喪失した現実を受け止めた。

 悪天候で1日延期となった最終ラウンドは「9アンダーぐらい」(石川)のビッグスコアが必要だった。通算4アンダーの61位から出て前半で2バーディーを奪ったが、アウトでも3つのみ。通算24アンダーの優勝スコアとは15打差。伸ばし合いについていけなかった。「4つ(バーディーが)足りない感じ。いいゴルフではない」と表情を曇らせた。

 腰痛による長期離脱から公傷制度を利用して臨んだ今季は20試合に出場し、優勝はなく、トップ10は1度のみ。5~7月に6戦連続で予選落ちするなど、今季3勝を挙げた同学年の松山と差が開いた。今季の米ツアーのポイントランクは175位。プラス思考の石川が「この4年間はすごく苦しかった。息苦しかった。正直(8月のレギュラーツアー最終戦の)ウィンダム選手権が終わった時、米ツアーにいる資格がないと思った」と本音も吐露した。

 年内は日本ツアーに専念し、来年は出場権を持つ米下部ツアー出場も示唆した。シード権のある日本で世界ランクを上げてメジャー出場し、再び米ツアーに戻る方法もある。「心の底からレベルアップしたなというゴルフをしないと、1段階上にはいけない」。悔しさを胸に秘め、石川は日本で進むべき道を探る。

 ◆米ツアー出場権 レギュラーシーズン最終戦の8月のウィンダム選手権終了時点で、米ツアーメンバーは、各大会の順位から算出したフェデックスポイントの上位125位以内でシードを獲得できる。126~200位の選手は下部のウェブドットコムツアーのファイナル(計4試合)で、下部ツアーの賞金ランク26~75位の選手らと争い、賞金で上位25位以内を確保すれば来季の出場権を得る。