石川遼「真っすぐ行くとビックリ…」スイングは重症

7番、ティーショットを右ラフに放ちがっくりする石川(撮影・前岡正明)

 米ツアー出場権を失った石川遼(26=CASIO)が、日本でも壁にぶつかった。2オーバー61位から出て2バーディー、7ボギー、1ダブルボギーの77と大たたき。通算9オーバーの97位で国内では1年3カ月ぶりの予選落ち。前夜に突貫工事でスイング改造に取り組んだことが、あだとなった。年内は日本ツアーに専念する意向で、次戦はブリヂストンオープン(19日開幕、袖ケ浦CC)に出場予定。通算7アンダーの池田勇太(31)が単独首位。

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 現実は残酷だった。石川が巻き返そうとしても、最後まで右に流れる球を修正できず、スコアは崩れた。出だし10番からの2ホールはダブルボギー、ボギー。雨で体が冷え、心まで冷え込んだ。14番でバーディーを奪っても、直後にボギーを出しては波に乗れない。後半もいきなり3連続ボギー。5番でチップインバーディーを奪ったのが、かすかな光だった。まばゆいばかりに輝いたかつての石川の姿は、そこになかった。

 「自分の悪いクセが、さらに悪くなっている。(ショットが)真っすぐ行くと自分が一番ビックリする。真っすぐ行く方がたまたまな感じ。そういう状態で今年ずっとやっていました」

 第1日を61位で終えた前夜、スイング改造を強行した。大きな賭けだった。インパクト時に高くなっていた手の位置を修正。手首と右の股関節の使い方を変えた。「日本OPの最中にやるのはどうなのか」-。自問自答しながらも、根本から見直す必要があると判断。だが一夜漬けで結果が出るほど、甘くはなかった。

 「ダウンスイングの最後のインパクト直前まで、クラブが寝てしまっていた。手首と股関節の使い方が、今までとガラリと変わる。体になじむまで何千球もかかると思う。それでも1日も早く取り組みたかった」

 国内ツアーのパー70では自己ワースト2位タイとなる77の大たたきで、9オーバーの97位。今年、米ツアーでは何度も味わった予選落ちも、国内となれば昨年7月の日本プロ以来、1年3カ月ぶりだ。

 「優勝争いがしたかった。非常に悔しいけれど、何とか今年中に成果が見えてくれば、また優勝できる」

 復調の兆しは見えない。暗闇を手探りで歩きながら、再び輝くまで努力を続けるしかない。【益子浩一】

 ◆石川の最多ストローク パー70では09年日本シリーズJTカップ第1Rの78がワーストで、今大会の第2Rと15年アジアパシフィック・ダイヤモンドカップ最終日の77がワースト2位。パー72では11年日本ゴルフツアー選手権第1Rの83がワーストで、08年サン・クロレラクラシック第3Rの82が続く。国内ツアーの予選落ちは、通算12オーバーの127位だった16年7月の日本プロゴルフ選手権以来、1年3カ月ぶり。