田村亜矢 母校先輩の宮里藍さん手本に初V狙う

練習で力強いショットを見せる田村

 戌(いぬ)年に飛躍が期待される北海道栗山町出身の美人プロゴルファー田村亜矢(20=大東建託)。昨年7月のプロテストに合格。同12月のファイナルクォリファイングトーナメント(QT)では、ルーキー最上位の3番手に入り、今季ツアー前半戦の全試合出場を確実にした。あこがれの宮里藍さん(32)を目標にツアー初優勝を狙う。

 昨年12月、翌シーズンのツアー出場権をかけたファイナルQTで、ルーキー最上位は注目の勝みなみ(19=フリー)でも小祝さくら(19=ニトリ)でもなく、田村だった。4日間で3度のアンダーパーを記録するなど安定感を発揮。6アンダーで3位タイ。最終日は幼なじみの小祝と同組で励まし合いながらプレーし、ともに今季前半戦のツアー参戦を確実にした。

 田村 我慢すべきところで我慢できましたし、入れるべきところで入れることもできました。不安のあった初日を1アンダーで耐え、2日目、3日目はつらかったですけど、スコアを気にせず楽しく回れました。最終日は(小祝)さくらが同じ組で心強かった。「さくらがバーディーを取ったら自分も取ろう」と思ったりして、励まし合い、切磋琢磨(せっさたくま)しながらプレーできたのが良かったと思います。

 栗山小卒業後、中高一貫のゴルフ選手育成に定評のあった福島県の富岡二中に進学した。約1年後の3月11日、東日本大地震で被災。住居近くの福島第2原発の事故により、宮城・石巻赤十字病院の臨床検査技師として奔走中の父文則さん(61)を東北に残し、帰郷した。その後2年間、道内でプレーし、宮里さんが通った宮城の名門・東北に進学。東北ジュニアゴルフ選手権を制するなど力をつけ、昨年2回目のプロテストで合格した。

 田村 引退されても、私にとって藍さんの存在は大きいですね。技術も立ち居振る舞いも少しずつ近づいていきたい。将来は世界に通用するプロゴルファーになりたいと思いますが、まずは日本ツアーで勝つことが今の目標。プロテスト合格からファイナルQT3位と勢いはあると思いますので、シーズン開幕後の早い時期に初優勝したい。

 所属は、全国で100万戸以上の賃貸物件を管理する東証1部の大東建託に決まった。昨年末に会社を訪問。社員から「応援してるからね」と声をかけられた。ツアー本格参戦初年度から、遠征費などを気にせず、ゴルフに打ち込める環境が整った。

 田村 会社の皆さん全員がアットホームな感じで、とても良くしていただきました。所属プロになるわけですから、ホステス大会(7月26日開幕、大東建託・いい部屋ネットレディス、山梨・鳴沢GC)は、必ず上位で戦いたいですね。

 本拠地は現在、宮城・利府。年末年始は栗山町の実家に戻り、8日の成人式に晴れ着姿で参加する。「この季節だからおいしい」というソフトクリームや好物の寒ブリのすしを楽しみ、3月1日の開幕戦(ダイキンオーキッドレディス、沖縄・琉球GC)に向けた調整に入る。

 田村 もうちょっと体の軸をしっかりしたいので、体幹トレーニングなど基礎的な運動から始めます。飛距離は240ヤードから20ヤードは伸ばしたい。連戦に耐えていけるよう、この冬で心技体すべて成長します。おそらく北海道では3試合。まだまだ戦う上で技術力も足りませんが、精いっぱい前向きにプレーして、笑顔で頑張っていきます。【中島洋尚】

 ◆田村亜矢(たむら・あや)1997年(平9)4月15日、栗山町生まれ。栗山小2年時に父の影響でゴルフを始める。小6で全国小学生大会3位、福島・富岡二中1年で東北ジュニア選手権優勝、栗山中2年で全道ジュニア選手権輪厚大会優勝。東北高3年で東北女子アマ優勝。昨年8月のプロ初戦北海道meijiカップで32位タイ。昨年度の賞金ランク142位(61万2000円)。家族は両親と姉2人、兄、弟。163センチ、58キロ。