片山晋呉の「不快行動」詳細を報告、厳罰化進める

会見で出席者とともに深々と頭を下げる片山(左)(撮影・小沢裕)

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)は27日、都内で定例理事会後に会見を行い、5月30日のツアー選手権森ビル杯のプロアマ戦でアマチュアの招待客に不愉快な思いをさせ、プレーを断念させたとする片山晋呉(45=イーグルポイントGC)を厳重注意処分としたことを発表した。プロアマ戦当日に30万円の制裁金を科されており、15日には本人が当面のトーナメント出場自粛の意向を表明。騒動発覚後、初めて公の場に姿を見せた片山はあらためて謝罪し、調査委員会による調査報告書として当日の経緯も明らかにされた。

 壇上でJGTOの青木功会長、石川遼副会長らとともに片山は何度も頭を下げた。「一緒に回られた同伴競技者に不快な思いをさせ、本当に申し訳ございませんでした。自分の至らなかったところを改め、これからのゴルフ人生の糧にしていかなければいけないと思っています」と謝罪した。

 調査報告書で「A氏」とされた同伴アマと片山の行動も明らかになった。最初の13番グリーンでA氏を含む同伴アマがプレー中、片山が承諾を求めずに練習を開始。自らのプレー後も再び練習する片山に対し、既に移動していたA氏が「早く上がってきてください」と声掛け。先行する組が第1打を打つ前で、片山は「まだ前の組がいる」という趣旨の発言をした。一連の対応を不愉快に思ったA氏が苦言を呈し、片山は「すいません」と謝罪。A氏は14番の第1打後にプレーを中止した。片山には夕方、大会ディレクターから制裁金30万円を伝えられた。「大変なことをしてしまったなと思った」と振り返った。

 JGTOの理事も務める野村修也弁護士は「練習を絶対しないということではない」としつつ「ホスピタリティー向上に努める他のプロに比べ(片山が)自分の練習を優先させている」と指摘。一方で片山がA氏に対して侮辱的な発言や行為を行った事実がないこと、試合出場を自粛している片山の謝罪を受け入れたA氏が現在は復帰を望んでいることを付け加えた。

 JGTOの規定については、再発防止策の中で「対象行為の明確化及び厳罰化」を進めると示された。隆盛の女子ツアーに比べ、試合数の減少傾向が叫ばれる男子ツアー。この日、厳重注意処分を実施した青木会長は「大変残念。今後、いろいろな意見は、会長である自分が責任を持って受け止める覚悟です」とした。

 ◆JGTO懲戒・制裁規定メモ 重い処分の順番から(1)除名(2)出場停止(3)制裁金、および(4)厳重注意の4種類がある。制裁金については1回目が30万円、2回目が50万円、3回目以上については懲戒の処分および100万円の制裁金を科すと規定される。今回の片山のケースはプロアマ大会の規定にある「同伴アマチュアに不適切な対応をしたり、不快感を与えるような態度をしてはならないこと」の行為に該当。1回目となるため、厳重注意と制裁金30万円が科された。