新垣比菜が首位キープ、支える「優勝請負人」がいた

17番、グリーンの攻略について話す清水キャディー(左)と新垣(撮影・丹羽敏通)

<女子ゴルフ:スタンレー・レディース>◇第2日◇6日◇静岡・東名CC(6571ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

新垣比菜(19=ダイキン工業)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算7アンダーの137で全美貞(35)と並んで首位をキープした。イ・ボミ(韓国)の2年連続賞金女王を支えるなど、国内最多37勝をアシストしてきた清水重憲キャディー(44)をスポットで起用。19歳291日での2勝目となれば、畑岡奈紗や宮里藍、横峯さくららに続いてツアー史上6位の年少記録。

4月に初Vを飾った新垣とは、さらにひと味違う。安定したショットを繰り出すアイアンには「Hina」。優勝後、シード選手仕様の刻印入りに新調した。9、13番とショートアイアンで30センチにつけてバーディーを奪うなど、首位をキープしても「75点です。2ボギーと最終ホールのティーショットがラフにいったのが悔しい」と貪欲だった。

清水キャディーにバッグを担いでもらうのは5試合目になる。「ゴルフに対する考え方なら田中秀道さん、マネジメントなら谷口徹さん…。僕が先輩方のキャディーをして学んだことを、若い世代に伝えていく。ボミ選手はもちろん(上田)桃子選手(諸見里)しのぶ選手に対しても、そうしてきました」というのが“優勝請負人”の哲学だ。

ラウンド中、最も相談が多いクラブ選択も工夫を凝らす。7、8、9番と3つの番手で迷う場面なら8番が「正解」。それでも「9でいく?」と切り出す。さらに「7でいく?」と続ければ、本人が「7だと大きいので8で」。助言しつつも最後は選手に決めさせることで、選択に安心感が出るという。新垣も「迷いなく打てます」と感謝する。

初優勝のコースは会場から車で30分ほど。今週も勝った時と同じ三島市内のホテルに泊まっている。「験を担いだわけではないんですけど…」と笑うが、首位発進からそのまま逃げ切った6カ月前の再現へ「やるべきことをやって優勝できたら一番うれしいです」と力を込めた。【亀山泰宏】