V賞金2億「過去最大」ZOZO前沢社長のゴルフ愛

会見で笑顔の、左から青木JGTO会長、前沢ZOZO社長、松山、ハーディ氏(撮影・たえ見朱実)

ファッション通販大手ZOZO(ゾゾ)が、国内初開催となる米男子ゴルフ(PGA)ツアーのスポンサー企業を務めることが20日、発表された。日本ツアーとの共催で来年10月24~27日、同本社を置く千葉・習志野CCで「ZOZOチャンピオンシップ」を開催する。契約は6年で、賞金総額は約11億円、優勝約2億円は国内最高額。同日、都内で会見に臨んだ前沢友作社長(42)は最大規模のスポーツ支援で、世界的認知の拡大に力を入れる方針を示した。

まず会見で口にしたのはゴルフ愛だった。競技歴10年強の前沢社長は「ハンディキャップは一番良いときで5ぐらい」と腕前を明かした。9月のライダーカップ(米欧男子対抗戦)視察、10年マスターズで優勝したミケルソン(米国)の起死回生の1打などに感動したエピソードを披露し「これまでスポーツ分野をサポートしましたが、過去最大規模。気合が入っています」と口調を強めた。

PGAとは6年契約を結んだ。賞金総額975万ドル(約10億7250万円)、優勝175万ドル(約1億9250万円)は国内開催ツアーで史上最高額。米ツアーでも高額大会に入る。会見に同席した日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木会長は「私も76歳ですが、もう少し若かったら出たい。半分悔しい」と言えば、米5勝の松山も「日本ファンのみなさまの前で勝つことが大事。結果で恩返ししたい」と意気込むほどの魅力的なツアーとなる。

ZOZOは創業20周年となった今年から自社ブランドを立ち上げた。体形計測技術に合わせ、購入者の体形にフィットした洋服作りがコンセプト。「入念に1人1人に合わせてクラブ提供するフィッティングに似ている」と共通項を挙げた同社長は「(PGAに)お話をいただいた時、びっくりしました。歴史と伝統ある企業ばかりなのに新興の若い企業にお声をかけていただき光栄」と感謝した。

PGAツアーは226カ国と地域、10億世帯で放送される。自社ブランドの認知度を海外に広める絶好の機会でもあり、前沢社長は「世界的認知の拡大が目的。どうせなら人がまだやってないこと、新しい挑戦がしたかった」とも口にした。ZOZO利用者は7割が女性。「PGAでファッション関係の企業は初めて。ファッションとテクノロジーを使った大会にしたい。世界的に見たことのない大会にすれば注目も集まる」と新たな試みと仕掛けを加えた独自路線で派手で豪華なツアーに仕上げようとしている。【藤中栄二】

◆前沢友作(まえざわ・ゆうさく) 1975年(昭50)11月22日、千葉県生まれ。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ創業者。93年、早実高在学中にバンド結成。活動の傍ら98年にスタートトゥデイを設立した。01年、バンド活動を停止、経営専念。07年マザーズ、12年には東証1部に上場した。時価総額約1兆円のスタートトゥデイの発行済み株式の4割近くを保有し、米誌フォーブスはその資産を2830億円(日本人18位)としている。女優剛力彩芽と交際を表明。

◆PGAツアー 米国、北米を中心に男子大会を運営する名実ともに世界一のツアー。68年に全米プロゴルフ協会からツアー運営を目的として独立した。75年から現名称となり、07年からはフェデックスカップのポイント上位陣がプレーオフを戦い、年間王者を決めている。年間賞金総額は約350億円以上。今季のプレーオフは賞金総額約40億円で、年間王者のボーナスは約11億円。今季は27カ国・地域の選手が集結し、日本勢では松山英樹、小平智がメンバー。他国ツアーとの共催を含めて130試合以上を開催。本部は米フロリダ州。