熊谷かほ“1人”でつかんだ自己最高4位&初賞金

スタジオアリス女子オープン・最終日 18番、パットを決め笑顔を見せる熊谷かほ(撮影・奥田泰也)

<女子ゴルフ:スタジオアリス女子オープン>◇最終日◇14日◇兵庫・花屋敷GCよかわC(6316ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

プロ4年目で初めて予選通過した熊谷かほ(23=ウッドストックCC)が、自己最高4位に入った。

4位から出て5バーディー、3ボギーの70で回り、通算6アンダーの210。プロ初の賞金330万円を獲得し、6月末までのランキングで後半戦の出場権をほぼ手中にした。申ジエ(30=韓国)が同9アンダーで、今季初優勝となる国内通算22勝目。開幕からの日本勢の連勝は5で止まった。

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突如現れたシンデレラは、雨にぬれても輝きを放ち続けた。プロ4年目で日曜日にプレーするのも、優勝争いも初めて。熊谷は故郷山梨から車を運転してコースに入り、高校生のハウスキャディーと回った。マネジメントもラインを読むのも1人。2、3番の連続バーディーで首位と1打差に食らいつく。7、8番で連続ボギーを打っても諦めなかった。持てる力を出し切り価値ある4位になった。

「ホッとしました。ずっと調子が良くなくて悩んでいました。試合前日に気持ちを切り替えて、シンプルにゴルフをしよう、と」

フィギュアスケートからの転向で、プロを目指したのは山梨学院大付高の頃だ。遅く取り組んだだけ、苦労は多かった。3度目の挑戦で16年にプロテストに合格し、遠回りをしながらも初の賞金を獲得。後半戦の出場権をほぼ手中にした。その美貌から一部で“和製セクシークイーン”と呼ばれことを問われると「それは、アン・シネさんから取っちゃうのはダメなので。しっかり成績を残せるようにします」。楽しみな新星が出てきた。【益子浩一】