成田美寿々、逆転2勝 五輪目標に日本流の原点回帰

優勝のポーズを決める成田美寿々(撮影・丹羽敏通)

<女子ゴルフ:大東建託・いい部屋ネット・レディース>◇4日◇最終日◇山梨県鳴沢GC(6605ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2160万円)

成田美寿々(26=オンワードホールディングス)が逆転で今季2勝目、ツアー通算13勝目を挙げた。

首位と2打差3位から出て5バーディー、3ボギーの70で回り通算11アンダー、277。2位の有村智恵を1打上回った。13勝中9勝が逆転で「逆転の成田」の底力を見せつけた。悲願の20年東京オリンピック(五輪)出場へ、さらに優勝を積み重ねる。

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逆転への合言葉は「18ホールまで攻めるゴルフ」。2年前の大会で優勝した時のバーディー数「22」を目標に、成田は攻め続けた。開始の1番から連続バーディー。その後2つのボギーで後退も、後半出だしの10、11番で連続バーディー。16番、この日5つ目のバーディーで10アンダーで並んでいた有村を抜くと、右手でガッツポーズ。目標には2つ届かなかったが、4日間計20ものバーディーで優勝をもぎ取った。

「有村さんとの優勝争いは、めちゃくちゃ楽しかった」。4月にヤマハ・レディース葛城で優勝してから不振が続いていた。優勝後に挑戦した6月の全米女子オープンで62位と惨敗。世界と戦うためオフに練習した高い球を打つことに固執し、得意の低いコントロールショットを出せず、自分を見失っていた。

「自分の良さをなくしていた」と気付き、1カ月前からコントロールショットに基本から取り組んだ。好調時に近づいたショットで、多くのバーディーにつなげた。「五輪に出るためにプロゴルファーになった。五輪を日本でやるんなら、日本のゴルフをしていればいい。海外を追い求めすぎていた」と原点に戻った。

東京五輪出場には、世界ランキングで、日本人の2位以内に入ることが条件だ。そのための目標を来季前半を含め「5~8勝」と設定。今季だけで5勝を掲げ、早くも2勝。「やっぱり、こういうゴルフが成田美寿々なんだと思う。日本であと4~7勝すれば多分いけると思う」。あこがれの日の丸を背負うため、成田は勝ち続ける。【桝田朗】