<女子ゴルフ:NEC軽井沢72トーナメント>◇最終日◇18日◇長野・軽井沢72ゴルフ北C(6705ヤード、パー72)
「最後の最後に台無しにしてしまった。今までの優勝パット以上に、一番緊張しました」。
AIG全英女子オープンでメジャー制覇した渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、凱旋(がいせん)2戦目での優勝を、目の前で逃した。
通算14アンダーで穴井詩、イ・ミニョン(韓国)で並んで迎えた最終18番パー4。最終組の渋野がバーディーを取れば、今季3勝目が決まっていた。
舞台は整い、大観衆が固唾(かたず)をのんで見守った。フェアウエーからの第2打は、池を越えてグリーンへ。ピンから右、約5メートル半のバーディーパットを沈めれば優勝。まるで、全英を制した最終18番と同じような距離だった。
渋野は勝負に出た。強気に打ったパットは、カップに沈むことなく2メートルオーバー。その瞬間に、会場はため息に包まれ、渋野は苦笑いした。返しのパーパットを入れれば、3人によるプレーオフ(PO)に突入する。
その2メートルも、カップをかすめることなく、まさか3パットのボギー。POすらも逃し、3位になった。
POが行われている18番の横で取材に応じた渋野は、18番を振り返り「(バーディーパットは)当たった瞬間に入らないと思った。返しも、かすりもしなかった。情けないです。何が何だか…。最後は決めたい距離。せめてパーで終わらないと…。3パットしてしまったのが、情けない」。
笑顔は消え、悔しそうに唇をかむ。その横で、大勢のギャラリーが、温かい拍手を送り続けていた。【益子浩一】