石川遼が初の連続V王手「チャレンジャーの気持ち」

8番、バーディーを決めギャラリーの声援に応える石川(撮影・黒川智章)

<男子ゴルフ:長嶋茂雄招待セガサミー・カップ>◇24日◇第3日◇北海道・ザ・ノースカントリーGC(7178ヤード、72ヤード)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

首位から出た石川遼(27=CASIO)が、5バーディー、ノーボギーの67で回り、通算16アンダー、200でトップを守り、自身初の2大会連続優勝へ、王手をかけた。

前半で3バーディーと順調にスコアを伸ばして迎えた後半の11番パー4。第1打を右に曲げ池に入れたが、「チャレンジャーの気持ちで打ったので」と、決して引きずらない。残り155ヤードの第3打を9番アイアンで振り抜くと、ピンそば50センチにつけるスーパーショットを披露し、パーを拾った。さらに、13番パー5でも再度、池に入れたものの、4打目をしっかりピンに寄せてパーをセーブした。3日間首位を守り「居心地は良くない」と話すものの、ピンチでも集中力を切らさず首位に3打差をつけた。

吉兆データがある。第1日から第3ラウンドまで首位を守り続けたのは過去15勝のうち、2度あるがいずれも優勝している。さらに、3日目に首位だった過去11大会のうち、2位に2打差以上つけていた6大会はいずれも優勝した。「3打差」をつけている今大会は、データ上ではV率100%だ。

7月の日本プロ選手権で3季ぶりの優勝を果たし、今大会は自身初、17年の宮里優作以来の2試合連続優勝がかかる。「ジャンボさん(尾崎将司)がこういう状況でトップにいたら他の選手は『追いつくのは難しい』と思うと思うけど『遼だったらチャンスがあるな』と思われているので、少しずつイメージを変えていかないといけない」と笑いを誘いながら、最終日への思いを語った。

今大会の大会名誉会長でもある長嶋茂雄氏は大会前に表彰式の欠席を発表している。14年の覇者でもある石川は「精いっぱい、常にチャレンジャーの気落ちでいたいなと思う。この大会はアグレッシブなプレーをした選手に長嶋さんの名のついた賞も贈られる。見られる立場というか、エンターテイナーということも含めて誰も追いつけない存在の人。その長嶋さんにすごいなと思ってもらうことは難しいことだけど、少しでもいいプレーがみせられるように頑張りたい」と気持ちを高めていた。