高橋彩華5位「自分に勝たないと」2週連続V争い

1番ティーでコースを読む高橋(撮影・浅見桂子)

<女子ゴルフ:ゴルフ5レディース>◇第2日◇7日◇茨城・ゴルフ5Cサニーフィールド(6380ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

黄金世代の高橋彩華(21=フリー)が、ツアー初勝利を射程圏にした。34位から出て8バーディー、1ボギーの自己ベスト65で回り通算9アンダー。首位と3打差5位で最終日を迎える。前週のニトリ・レディースは首位で予選突破しながら、第3日に77をたたいてV逸。屈辱を胸に2週連続の優勝争いに加わった。申ジエ(31)とイ・ミニョン(27)の韓国勢が、同12アンダーで首位に立った。

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悔しさは成長の糧になる。北海道開催だった先週の土曜日。誰もいなくなった会場で高橋は1人、パット練習を繰り返していた。時折涙をこらえるように空を見上げ、ため息をつく。前日まで首位にいながら、77をたたいたニトリ・レディース第3日。あまりの悔しさに一度は「帰る」と言ったが、周囲の説得で日が暮れるまで練習を続ける姿があった。13位に終わった大会から1週間が過ぎ、再び初勝利のチャンスが訪れた。

「普段は考えないことを考えて、小樽の沼にはまっていました。いつも自分に負けて、自分で崩してしまう。今度こそ、自分に勝たないといけないですね」

首位と7打差34位から出て、次々とスコアを伸ばした。狙い通りパー5は全4ホールでバーディー。7、9番ではいずれもグリーン横からのアプローチをピンそば30センチにピタリとつけた。今大会欠場の全英女王、渋野と同じ98年度生まれで、昨夏のプロテストに合格した同期。黄金世代10人目となるツアー優勝へ、また1人、名乗りを上げた。

「伸ばし合いは好きじゃない。でも考え方次第で、いいスコアに対する身近さを感じた。パー5でしっかりスコアを伸ばせばいい」

いつもそばで支え、愛娘の努力と涙を知る母真由美さんは、1週間前の孤独な練習を見守りながらこんな話をしていた。「いくら練習をしてもすぐに結果が出るわけじゃないから。ゴルフは難しいですね」。諦めず、悔し涙を流し、ここまで成長した。3打差を追う最終日は、夢をかなえる日にしたい。【益子浩一】