渋野「狙います」史上初国内外メジャー3連勝へ2差

日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 第1R 18番、初日を2アンダーで終え上田桃子(手前)と抱き合う渋野日向子(撮影・清水貴仁)

<女子ゴルフ:日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯>◇第1日◇12日◇兵庫・チェリーヒルズGC(6425ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝賞金3600万円)

全英女王の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、今度は日本一の記録をつくった。

5バーディー、3ボギーの70で回り、通算2アンダーで11位発進。6月のニチレイ・レディース第1日から続く、オーバーパーなしの連続ラウンドをツアー新記録の29に伸ばした。4アンダーで首位の高橋彩華とは2打差の好位置から、史上初の国内外メジャー3連勝も視野に入ってきた。

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シブ子の頭の中は記録でいっぱいだった。「新記録をつくりたいと思って。今日はそのことばかり考えていた」。試合前の練習場では絶好調。しかし、前半戦は気持ちと体が空回りした。2番、4番とボギーが先行。5番、7番でバーディーを取り返すが、9番で3パットのボギー。1オーバーのまま、運命のバックナインに突入した。

「キャディーさんと話して、今日はアウトで落として、インで伸ばしている選手が多いからって。後半にチャンスにつけられそうだったので、9番の3パットもすぐに切り替えられた」と得意の後半を前に、気持ちをチェンジ。11番でイーブンに戻すと、14番、16番とバーディーで、あっさりと記録を塗り替えた。

記者会見では「あとはどうでもいいから、今日ばかりは(記録を)意識した。今のところ名前が残るので良かった」とシブ子節がさく裂した。そんな渋野を、一緒に回ったリオデジャネイロ・オリンピック(五輪)の金メダリスト朴仁妃は「パッティングがすごくいい」と評した。「リズムがいいのでストロークも転がりもよく、たくさん決めることができる」と朴。この日はティーショットが不安定も、アプローチとパットでカバー。日本人の実力者たちが低迷する中、優勝をねらえる位置につけた。

AIG全英女子オープンで、日本人として42年ぶり2人目の優勝を達成以降、体調は良くなかった。前回出場したニトリ・レディースまで不調が続いたが、ようやくコンディションも上向き。首位と2打差発進で、史上初の国内外メジャー3連勝という快挙も視野に入ってきた。「いいスタートが切れて、まだチャンスがあるので、ねらっていきます。明日は結構スコアが伸びると思うので、遅れないようについていきたい」と、新たな目標にねらいを定めた。【桝田朗】