渋野42位「まさか予選落ちの危機とは…」畑岡9差

日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 第2R 9番、最終ホールをバーディーで締め天を仰ぐ渋野日向子(撮影・清水貴仁)

<女子ゴルフ:日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯>◇13日◇第2日◇兵庫・チェリーヒルズGC(6425ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝賞金3600万円)

全英女王の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、国内ツアーでの連続オーバーパーなしの記録が途切れた。前日の第1ラウンド(R)でツアー新記録となる29Rを達成。この日は11位から出て5バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの75で回り、通算1オーバーで42位。19試合連続で予選は通過したが、首位と9打差となり優勝争いからも離された。67で回った畑岡奈紗(20)が、同8アンダーで単独首位に浮上した。

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朝から降った雨はやみ、蒸し暑くなっていた。最終9番パー4。ピン手前から4メートルのバーディーパットを沈めると、渋野は天を仰いだ。そして笑みを浮かべる。世界を沸かせたシンデレラスマイルとは程遠い。無理な作り笑いだった。

「しんどかった~。まさか予選落ちの危機を迎えるとは思わなかったです。あそこまで落ちたのは正直、ビックリ。最後は意地で戻ってきました」

池ぽちゃあり、電線直撃あり…。いろいろなことが起きた1日だった。朝7時すぎの早いスタート。前半の17番パー3では第1打がグリーン手前の土手に当たって池に転がり、痛恨のダブルボギー。出入りの激しい内容で2度も通算3オーバーまで後退。カットライン上をさまよった。最後は9番の第1打が、約20メートル先の電線を直撃して真下に落下。打ち直しの球が傾斜で転がり絶好の位置へ。これが、バーディーフィニッシュにつながった。

「電線に当たった球も悪くない方向でしたけど、2球目の方が良かった。あれはラッキーでしたね」

オーバーパーを打つのは、6月16日のサントリーレディース最終日以来89日ぶり。29Rの新記録達成からわずか1日で途切れた。全英を含めば33Rにもなる。

「記録の重圧があったのかな~。ここまで打ったから、あったのかもですね」

首位畑岡とは9打差。全英と国内を含むメジャー3連覇の夢も遠く離れた。それでも「残り2日。絶対にアンダーを出したい」。記録は途絶えても、ここからまた新たな伝説を生む。【益子浩一】