石口菜都実V「勝ててうれしい」目指すはイ・ボミ

優勝杯を手に笑顔の石口(撮影・吉池彰)

<ゴルフ:日刊アマ全日本大会・女子決勝>◇最終日◇30日◇千葉・キングフィールズGC(6280ヤード、パー72)<主催>日刊スポーツ新聞社<後援>日本ゴルフ協会、関東ゴルフ連盟、日本パブリックゴルフ協会<協賛>ブリヂストンスポーツ<協力>キングフィールズGC

1打差2位から出た石口菜都実(22=奈良ロイヤル)が通算2アンダーの142で逆転優勝した。スコアを2つ伸ばし、第1日首位の岡地里香(日体大3年)を逆転し、2位の吉岡ひかる(23=有馬)に2打差をつけた。石口は第38回大王製紙エリエールレディースオープン(11月21日開幕、愛媛・エリエールGC松山)の本戦出場権を得た。

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体重46キロのきゃしゃな体から、豪快なドライバーショットが繰り出される。さらに堅実なゴルフで、チャンスがくればバーディーを決めてゆく。石口はこの日2バーディー、ノーボギーの70。首位に1打差2位でスタートしたが、最後はしっかりと逆転勝利した。今大会は2回目の出場。1番パー4では、左から張り出した木の上を越える会心のショット。同伴競技者にプレッシャーを与えた。ベストプレーは5番パー3。8番アイアンでピン奥80センチにつけ、楽々バーディーを奪った。

前半終了時点では、33で回った吉岡が飛び出し、石口が2打差2位。「最後まで勝てるかどうかわからなかった。それだけに勝ててうれしい。11月の大王製紙エリエールレディースオープンに出場できることになったのが何よりもうれしい」と喜んだ。現在はプロテスト挑戦中で、来週は第2次予選が行われる。奈良ロイヤルGCでキャディーをしながら練習する。大学を3年で中退したが、歯科医の父親は「自分のやりたいようにやりなさい」と1人娘を応援してくれている。目指すのはイ・ボミ(韓国)のように「かわいくてゴルフのうまいプロ」と、愛くるしい笑顔を浮かべた。

○…総合、ミッド、シニアの各優勝者に5キロ、各2、3位に2キロの千葉県産新米コシヒカリが贈られた。女性アスリート支援の思いを形にしたもので、全農パールライス(株)管理部吉田浩副部長から新米を受け取った選手たちは、みな笑顔だった。

◆石口菜都実(いしぐち・なつみ)1997年(平9)1月23日、奈良県御所市生まれ。父親の影響で13歳でゴルフを始める。神戸の流通科学大に進み、2年時に兵庫県三木市レディースで2位に入り、プロを目指すことを決心。好きなクラブはドライバーで飛距離は240ヤード。155センチ。