渋野日向子、来年にも米ツアー挑戦か 畑岡らに刺激

8番、畑岡奈紗(左)と談笑しながら歩く渋野日向子(撮影・上田博志)

<女子ゴルフ:日本女子オープンゴルフ選手権>◇第2日◇4日◇三重・白山ビレッジGC(6479ヤード、パー72)◇賞金1億5000万円(優勝3000万円)

渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、来年にも米ツアーに挑戦する可能性が出てきた。

全英女子オープン制覇後の慎重姿勢が、2日間同組で回った畑岡奈紗(20=森ビル)らに刺激を受け変化した。畑岡、柳蕭然(韓国)が10アンダー(3位)と伸ばす中、渋野も5バーディー、3ボギーの70で回り、通算7アンダー、137で9位につけた。ペ・ヒギョン(韓国)が12アンダーで首位に立った。

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畑岡、柳と回って、渋野の向上心が刺激された。米ツアー参戦3年目で、世界ランク6位の畑岡。17年には世界ランク1位にもなった柳と、それぞれが攻撃的なゴルフを展開するなかで、レベルの差も感じた。

「全英に勝った時よりも、ちょっと興味あります。すぐとは言えないけど、将来的にはと思うようになってきました。海外ツアーで自分をもっと強くしたい」と、競技後の公式会見で米ツアーへの思いを語った。

全英女子オープン制覇直後は日本ツアー専念を宣言するなど、米ツアー参戦には否定的だった。しかし、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で畑岡の強さに圧倒された。その後、畑岡とミヤギテレビ杯ダンロップ女子で同じ組で回り、今大会も2日続けて同組でプレーした。「奈紗ちゃんと一緒に回って、海外で経験していかないとなかなか上位に上がれないとすごい感じた。奈紗ちゃんの存在は大きいと思います」と、気持ちが変わってきた。

この日のラウンド中には、畑岡から「来年とかどうするの? 簫然さんが(米ツアーに)来ないのって言っていたよ」とラブコールももらった。米ツアーへの意識が芽生えてからは、渋野も積極的に英語を理解しようと、会話にも挑戦している。柳からは「Where are you from?(出身はどこ)」と声を掛けられ「岡山って答えました」と胸を張った。

全英オープン優勝により、渋野は米ツアーの出場権利を手にした。実際に参戦には米ツアーメンバー登録が必要で、期限は11月18日。渋野が熱望する20年東京五輪出場を確実にするには、現在11位の世界ランクをキープするか、さらに上げる必要もある。ポイント獲得で有利な米ツアー参戦へ、渋野がどう決断をするか注目される。

畑岡、柳が5つスコアを伸ばし、10アンダーに乗せる中、渋野も70で回り、通算7アンダーで9位タイにつけた。首位のペ・ヒギョンとは5打差だが「まだ2日、36ホールあるので射程圏内かなと思います。2日間しっかり攻めきりたい」と優勝への意欲を示した。【桝田朗】