コースに「日本らしさ」ウッズら世界最高の技術必見

練習ラウンドで、パットの感覚を確かめる松山(撮影・河田真司)

<PGAツアーがやってくる(2)>

男子ゴルフの日本初開催となる米ツアー(PGA)「ZOZOチャンピオンシップ」(24日開幕)に向けた連載の第2回は、コース編。

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新たに「PGAツアー仕様」に改修された千葉・アコーディア習志野CCについて、同コースの瀧口悟エリアコースマネジャーに聞いた。現存の36ホールから18ホールを選定し、今年2月末からコースの改修に入り、5月に終了。短期間で米ツアーに匹敵する設定に仕上げたが、意外にも大幅な変更はなかったという。

PGAが求めるのは「公平さ」と「個性」。総距離は7041ヤード。先週の米ツアー、CJカップが7241ヤードだったように他大会に比べると短いが、14本すべてのクラブを使いマネジメントする。同コースの特徴を最大限に生かしたコースに仕上がった。

PGAの意図は明確だ。ティーショットの落下点を、280~320ヤードに設定し、落下点は必ず目視できることが要求された。落下点が見えないコースは、ティーグラウンドを後ろに下げるなどして対応。これは、「トップ選手のティーショットの飛距離、戦略が見られる方が良いという考え方」(瀧口氏)。進行もスムーズでロストなどのトラブルも少なくなる。

池の周りは、日本ではラフが多いが、そのラフを刈り込んでフェアウエーに替えた。池越えを狙った選手にアドバンテージを与えるため。グリーン周りも同じようにラフを刈り込んでいる。「ラフだと選択するショットは少ない。でも、刈り込んでいれば、選手のいろんな技が見られる。選手の選択肢が増え、迷いが生じるので、ゲーム性もより高くなる」と話す。

グリーンの速さは12・5フィート(3メートル81センチ、1フィート=30・48センチ。スティンプメーターという計器で約31センチの高さからボールを転がしてグリーン上の移動距離を測る)に設定。PGAのグリーンは硬くて高速だが、この数字は日本ツアーでもあり得る。ただ日本では朝だけ測定する場合が多いのに対し、PGAは朝、昼と2度測定するなど徹底し、午前、午後組で差がつかないようにする。

米国は木が少なく広いコースが多いが、習志野CCは特徴となる林間コースを生かしたセッティングだ。さらに4番は2グリーンを採用し、日によって使い分ける。「日本の特徴を生かすため。PGA関係者からは日本でやるのだから日本らしさを残したい」と伝えられてのものだ。瀧口氏は「タイガーがまたここでやりたいと言ってくれれば」。世界最高の技術を、最高峰のコースが演出している。【松末守司】