松田鈴英「男性的」持ち味ドライバー/連載8

ツアーB JGRでドライバーショットを放つ松田鈴英(ブリヂストンスポーツ提供)

<ゴルフ十八景 クラブのプロが見たプロ(8)>

ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第8回はブリヂストンスポーツ契約の松田鈴英(22=ニトリ)。

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ドライバー平均飛距離は昨季、部門別ランク3位の253・41ヤード。松田のヘッドスピードの平均値はツアートップクラスの約45メートル/秒。松田のクラブを担当するクラフトマン(CM)はゴルファーとしてのタイプを「持ち味はやはりドライバー。ある意味で女子プロらしくない。アイアンショットも含め、インパクトが男性的です」と説明した。

昨季から使うドライバー・ツアーB JGRでビッグドライブに磨きがかかった。従来モデルよりボールスピードが速く、スイートエリアの広さでオフセンターヒットに強い。そのため高弾道のフェードボールはスケールを増した。アベレージゴルファー向けのクラブのため、易しい分だけ、結果はアバウトになりがちな点は「ライ角やロフト角の微調整がポイントになる」(CM)と、細やかなフォローで対応する。

飛ばし屋にありがちな詰めの甘さも解消したい。昨季はパーオン率は6位と高水準なのに、平均ストロークが21位だった。オフは、100ヤード以内のショートゲーム強化に取り組んだ。「すごく変化が見られます。アプローチ、バンカーショットの質がかなり変わった」とCM。スイング軌道がアウトサイド・インからインサイド・インへ。ウエッジをあえてヘッドが大きく、形状がオーソドックスなツアーB XW-1にしたこともはまり、ショットの精度が上がりつつある。

ジュニアで目立った実績はない。遅咲きの感がある国内トップ級の才能が、芽吹いてきた。【加藤裕一】

<松田鈴英のブリヂストンスポーツ社クラブ>

▼1W=ツアーB JGR(ロフト角10・5度、シャフト=フジクラ スピーダー569 EVO5、硬さS、長さ45・5インチ)▼FW=ツアーB JGR(3W15度、5W18度)▼ユーティリティー=ツアーB JGR(4U22度)▼アイアン=ツアーB X-CB(6I~PW)▼ウエッジ=ツアーB XW-1(48、52、58度)▼ボール=ツアーB X

◆松田鈴英(まつだ・れい)1998年(平10)1月24日、滋賀県彦根市生まれ。ゴルフは10歳から。福井工大福井高を卒業後、17年から黒宮幹仁に師事。同年プロテストに2度目の挑戦をし、1学年下の黄金世代を抑えて1位合格。最終QT18位で臨んだ18年にツアー出場36戦で0勝ながら賞金ランク11位で初シードを獲得。167センチ、54キロ。