渡辺彩香の「原点」自分を信じ復活V/山崎千佳代

18番、プレーオフを制し5年ぶりのツアー優勝を飾った渡辺は笑顔でガッツポーズ(Getty Images/JLPGA提供)

<女子ゴルフ:アース・モンダミン・カップ>◇最終日◇29日◇千葉・カメリアヒルズCC(6622ヤード、パー72)◇賞金総額2億4000万円(優勝賞金4320万円)

20年国内女子ツアー開幕戦で、渡辺彩香(26=大東建託)が5年ぶりとなる涙の復活優勝を飾った。通算4勝目。

4打差4位から出て68をマークして通算11アンダー、277。昨季賞金女王鈴木愛(26)とプレーオフ(PO)に入り、1ホール目のバーディーで勝負を決めた。

<山崎千佳代の目>

みんなが喜んでいましたね。5年近く苦労した渡辺さんの復活優勝。今は世の中も大変ですが、我慢すれば…と思える、明るい将来を暗示するフィナーレだったんじゃないでしょうか。

渡辺さんは「原点」に戻った感じです。自分の球、フェードを信じて、雨、風、晴天と全天候でやりきった。ボールの近くに立ち、アップライトだけど、しまりのあるトップからシンプルに上から振り抜く。曲がり幅は大きくても、力がちゃんと伝わった球だから、スライスではなくフェード。ドライバーで距離が出るから、第2打はショートアイアンが多く、その振り切るショットもよかった。アプローチは全然フィーリングが出てなかったですが、それも含めて「原点」。迷いがなく、ミスしても引きずるそぶりがない。感動的でした。

1試合できました。コロナとは長い戦いになるかもしれませんが、今後の指標になる試合ができた。それを喜びたいです。(プロゴルファー)