大岩龍一プレーオフ制しV「恩返しできてよかった」

優勝トロフィーを手に笑顔を見せる大岩

<男子ゴルフ:日神カップ千葉オープン>◇6日◇千葉・平川CC(7206ヤード、パー72)◇賞金総額1100万円(優勝賞金レギュラーの部300万円、シニアの部60万円)

下部のAbemaTVツアーを主戦場とする大岩龍一(22=ディライトワークス)が、3ホールにわたるプレーオフの末に優勝した。1イーグル、5バーディー、1ボギーの66で回り、6アンダーで並んだ大槻智春とのプレーオフに突入。3ホール目で4メートルのバーディーパットを打った直後に「入ると思った」と、ガッツポーズをつくりながら、カップインを見届けた。

インドネシアで行われたアジアンツアーの下部ツアーでの優勝経験はあるが「早くプロになりたくて」と、日大を2年秋で中退後の18年10月のプロ転向後、自己最高の賞金300万円を手にした。会場の平川CCは、より良い練習環境を求め、家族の協力を得て東京から千葉に移り住んで、中学2年からずっと練習しているホームコース。自宅からは車で15分とほど近い。さらに堀越高、日大時代はキャディーのアルバイトとして働きつつ、業務終了後、ほぼ毎日練習してきた。3ホールにわたるプレーオフでは、元同僚だった主に中高年の女性が多数応援に駆けつけていた。「このコースに育ててもらったので、恩返しできてよかった」と、笑顔で話した。

身長180センチから放たれるドライバーショットは300ヤードを誇るが、得意クラブはパターと小技も光る。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年は出場試合が少ないが、今年と来年が統合される今シーズンはシード権獲得が目標。賞金の300万円は「ためます」という堅実さも兼ね備え新鋭は、将来のレギュラーツアーでの活躍を見据えていた。【高田文太】