小祝さくら一気2打差3位「最後までポジティブに」

1番、ティーショットを放つ小祝さくら(撮影・清水貴仁)

<国内女子ゴルフツアー:ダイキン・オーキッド・レディース>◇第3日◇6日◇沖縄・琉球GC(6561ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2160万円)◇有観客開催

小祝さくら(22=ニトリ)が1イーグル、5バーディー、1ボギーの66でまわり、通算10アンダーで首位と2打差の3位に浮上した。オフに修正したパットが光り、15番で約10メートルを沈めると、最終18番でもカラーから約4メートルを沈めてイーグル締め。6打あったトップとの差を一気に縮め、昨年9月のゴルフ5レディース以来3度目の優勝を視界にとらえた。第2ラウンドを終えて首位で並んでいた西郷真央(19)と森田遥(24)が共に70でまわり、通算12アンダーでその座を守った。

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初春の風が吹く沖縄の地で小祝がギアを上げた。スコアを4つ伸ばして迎えたパー5の最終18番。残り228ヤードから3Uで振り切った第2打はピンまで約4メートルのカラーへ。これを決めてイーグルを奪い、首位を走る西郷、森田と2打差となった。ギャラリーからはどよめきと祝福の拍手が起こったが、冷静な表情は崩さず右手を上げて応えた。

スコア向上を支えたのは正確なショット、そして最も力を入れて修正してきたパターだった。昨年9月のゴルフ5レディース優勝後はショットの乱れとともにパターも調子を落とし、終盤戦では優勝争いに食い込めず。「パットが向上すればまた全然違うゴルフになると思う」とオフにフォームやライン読みを見直し、パターはデータ分析の結果、数値の良いセンターシャフトのモデルに変更。「ボールの回転を順回転にして安定させたい」と打ち込んだ。大会前は「(調子は)すごくいいとは言えない」と控えめだったが、初日から71、69、この日は5メートル以上のパットを5度決めるなどして66。徐々に感覚をつかんで順位を上げてきた。

全てはつかみたい目標のため。今年は「26歳までにとりたい」という賞金女王と年間複数優勝を目指す。「全部出るつもり」と予定される全38試合出場への意欲も口にし、ツアー本格参戦の18年から続く“皆勤賞”が目標を下支えする。

勝負の最終ラウンドは雨予報。「天気が心配ですけど練習してきたことを出し切れるように最後までポジティブにプレーしたい」。全国で最も早くお花見の始まる沖縄の地。まずは幸先よく1勝をつかみ、さくらの季節を到来させる。【松尾幸之介】

▽初日から首位を維持する完全優勝での初優勝に王手をかけた西郷 試合中は意識せずに目の前のことに集中して楽しんでできれば。(最終ラウンドは雨予報で)第2打が鍵になってくると思う。

▽第2日に続いて首位を守った森田 (優勝は)意識せずにやってきた。最終日も意識せず、コースと自分との戦いと思っている。

▽第3ラウンドベストの65で6位に浮上した稲見 いいゴルフができた。耐えるところは耐えて、1つでも上位にいけるようにゴルフを組み上げていきたい。