伊藤真利奈が北海道アマ女王 同学年小祝さくらに「追いつきたい」

10番でティーショットを放つ伊藤(撮影・山崎純一)

<北海道女子アマゴルフ>◇最終日◇21日◇札幌・ツキサップGC(6595ヤード、パー72)◇出場32人

女子ゴルフ界の黄金世代にあたる伊藤真利奈(22=恵庭)が、初の北海道アマ女王に輝いた。2位に2打差の首位スタートから、4バーディー、2ボギーの70で回り、3日間通算4アンダーで頂点に立った。国内女子プロツアー4勝の小祝さくらと同学年で、今秋のプロテスト合格に弾みをつけた。上位7人が日本女子アマ選手権(6月15日開幕、鳥取・大山GC)出場権を獲得した。

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伊藤が念願のタイトルを手にした。168センチとモデルのようなスタイルから、最後まで安定したショットを繰り出した。「ゴルフを始めてからずっと勝ちたいという思いが強い大会だった。実現できてうれしい」。ロシア人の母を持つニューヒロインはとびきりの笑顔をみせた。

序盤のミスに動じなかった。1番パーで迎えた2番。ティーショットを大きく右に曲げた。2打目は木の間を通し切り抜けたが、4オンの2パットでボギー。それでも「リカバリーできる力が最近できたので、取り返せるという気持ちだった」。続く3番でバーディー。10番の1打目後にはバナナで栄養補給し、後半2バーディー、1ボギーで2位西沢に4打差をつけた。

女子プロゴルフ界の黄金世代と同学年。今大会の14、16年覇者でプロ転向後、国内ツアー4勝を挙げている黄金世代の1人、小祝さくらと親交がある。「さくら」「まりーな」と呼び合い、昨年5月には小祝の誘いを受け練習ラウンドも行った。「ジュニアの頃から、さくらはずばぬけてすごかった」。現在、賞金ランキングトップを走る姿に大きな刺激を受けている。

3度目の受験となった3月中旬のプロテストは、第1次予選で敗退した。1月に左手首けんしょう炎を発症した影響もあり、痛みの出ないスイングに改良しながら臨んだが、本来のプレーはできなかった。「けっこう落ち込みました」。その後、1カ月ほどゴルフを一切せず、リフレッシュ。今回のタイトル獲得で上昇の手応えをつかんだ。

「1番の目標は、9月から始まるプロテスト合格。なんとか追いつきたい」。小祝とプロの舞台で戦う日を目標に、背中を追っていく。【山崎純一】

○…初優勝を狙った西沢里世(18=GOLF5)は4打差の2位に終わった。前半3番パー4でバーディー。9番でもバーディーを奪い、前半を終え伊藤に1打差に迫ったが、後半2ボギーと振るわなかった。「11番で1~2メートルのバーディーパットを外してそこから流れに乗れなかった」。初の日本アマへ「10位以内を目指して頑張りたい」と意気込んだ。

▼3位の島田紗(19=シェイクスピア) もっと出来るはずだったけど、これが実力かな。日本アマは上位にいけるように頑張ります。

▼4位タイの河上宮甫子(17=JGAジュニア会員) (初の日本女子アマ出場に)今年1番の目標だったのでうれしい。ショット力を上げて、バーディーチャンスをつくっていきたい。

▼7位の水谷百伽(16=JGAジュニア会員) 最初の方でウッドが曲がった。調子に乗れなかった。(日本女子アマに向け)グリーン周りを強化していきたい。

◆伊藤真利奈(いとう・まりな)1999年(平11)2月9日、恵庭市生まれ。恵庭恵明中1年でゴルフを始める。ドライバー平均飛距離は260ヤード。憧れのゴルファーはコーチを務めるデビット・スメイル。家族は日本人の父とロシア人の母。血液型B。得意クラブはアイアン。ベストスコア64。好きな食べ物はスイーツ。168センチ。

◆女子ゴルフの黄金世代 98年度生まれ(98年4月~99年3月生まれ)が「黄金世代」と呼ばれる。ツアー優勝者は9人で、日米8勝の畑岡奈紗を筆頭に、同5勝の渋野日向子、日本ツアー4勝の小祝さくら、勝みなみ、同3勝の原英莉花、今月のほけんの窓口レディースで2勝目を挙げた大里桃子が続いている。