菊地絵理香(32=フリー)がアース・モンダミン・カップで4年ぶり4度目の優勝を飾った。
第1ラウンドから4日間首位を守り続け、20アンダー、ボギーはわずか2個という圧勝だった。勝てない4年間。優勝に手の届くところにいきながら、いつも自分から崩れていた。そんな弱い菊地を変えたのは、弱点でもあるパッティングへの考え方を変えたところにあった。
本紙で評論を担当する佐伯三貴氏(36)は、菊地のことを「パッティングが昔から苦手で、パットが入れば勝っていただろうという試合がたくさんあった。どちらかというと、パッティングは諦めています、という感じだった」と話した。そんな菊地が教えを請うたのが、13歳も若い笹生優花と国内ツアー27勝でパッティングの名手でもある申ジエだった。
今年開幕戦のダイキン・オーキッド・レディースで、パターを打つときの決断が速い笹生に「どうやって打っているの?」と尋ねたという。笹生の「入ると思って打たない方がいいんじゃないですか」という答えに「入れよう、入れよう」と思い詰めていた自分を反省。「今までより割り切れて、嫌なイメージがなくなった」という。
スタジオアリスでは、申ジエに「パッティングで気持ちが悪いということはないのか」と尋ねてみた。申の答えは「私は結果しか求めてないから、打ち方とかどうでもいい。入れることしか、試合中は考えない」。笹生とは全く違う考え方だったが、菊地は「考え方は全然違うけど、どちらも正解。自分はうまく使い分ければいい。今日(最終日)の16番は、どんな打ち方でもいいから気持ちで入れようと打ちました」と、早速、申のやり方を取り入れ、ピンチでのパーセーブにつなげた。
4年間勝てないうちに32歳となり、今年の開幕戦では引退もよぎった。若手の台頭に、飛距離では負けないようにとオフには体力も強化し、ドライバーの飛距離も伸びた。体力強化とともに、弱い自分に向き合った。笹生や申にアドバイスを求めたのも「ここで変わらなければ、何も変わらない」という強い気持ちがあったからだ。
強い意志があれば、道も開ける。菊地の優勝は、それを教えてくれた。菊地の“先生”となった笹生は全米女子オープンで初優勝を果たした後、アース・モンダミン・カップと同じ週の全米女子プロ選手権で3アンダーで、日本人最高の21位に入った。「帰ってきたら、またいろいろ聞きたい」。第1ラウンドの後に、菊地は笑顔で話していた。【桝田朗】