渋野日向子「3人でプレーオフしたかったなという思いも」最終日雨天中止

雨天中止となり、会見後、傘をさして引き揚げる渋野(撮影・浅見桂子)

<国内女子ゴルフツアー:富士通レディース>◇最終日◇17日◇千葉・東急セブンハンドレッドC(6679ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝賞金1800万円)◇無観客

渋野日向子(22=サントリー)の2週連続優勝の夢は幻に消えた。首位に1打差の3位から逆転を狙った最終日は、雨によるコースコンディション不良のため中止となった。「(古江、勝と)3人でプレーオフをしたかった」と悔しさをにじませたが、5試合連続の1桁順位と完全に復調した。

天気同様、渋野の表情も晴れなかった。1打差で追う勝と古江と最終組で回るはずだった最終日。無念の中止でスタートすらできないまま3位で終了。「悔しい気持ちはあるんですけど、優勝した次の週でこれだけ上位争いができたことはすごく前向きにとらえたいなと思います。2人と回るのをとても楽しみにしていたので悲しいです」と思いを語った。

気合は十分だった。レインウエアに身を包み、逆転での2週連続優勝へ向け「予報ではできるんじゃないかと思って、やる気満々で来た」と普段通り打撃練習場で黙々と調整。仕上げのパッティング練習に向かう途中で競技中断の一報を聞いた。クラブハウスに戻ると、「心を落ち着かせ、何も考えないのにはいいと聞いた」という塗り絵に励みながら天候回復を待ったが、願いはかなわなかった。

頭に浮かんだのは前日の13番パー3でパッティングミスで喫したボギー。「3パット~って思いました。どうせなら私も12アンダーで終えて、3人でプレーオフもしたかったなという思いもあるんですけど、やりきったなというふうには思います」。わずか1打差。言い聞かせるように言葉をつないだ。

2週連続優勝は果たせなかったが、ここ5大会連続トップ10入りと好成績が自信にもつながっている。「来週も試合がありますし、調子が悪いわけではないので」と気持ちを切り替え「来週以降も目の前のことに1打1打集中していい成績で終えられるように頑張りたい」と言葉に力を込めた。【松尾幸之介】