<国内女子ゴルフツアー:フジサンケイレディース>◇最終日◇24日◇静岡・川奈ホテルGC富士(6447ヤード、パー71)◇賞金総額8000万円(優勝賞金1440万円)◇有観客開催
98年度生まれの黄金世代、高橋彩華(23=東芝)が逃げ切りでツアー初優勝を飾った。5バーディー、3ボギーの69で回り、通算12アンダー、201。10回目の最終日最終組で、ついに“十度目の正直”を成し遂げた。黄金世代では前週の植竹希望に続き、11人目Vを果たした。第1ラウンドでホールインワン達成の藤田さいきが10アンダーで2位。前年覇者の稲見萌寧は5アンダーで10位だった。
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降りしきる雨の中、高橋は50センチのウイニングパットを決めると、両手を高々と上げた。涙が止まらない。「ずっと勝てなくて苦しくて。やっと勝てたという思いがあふれてきました」。
10回目の最終日最終組スタート。緊張で顔がこわばった。1番パー4、2番パー4と連続ボギー発進。「また勝てないのかな」と嫌な予感がした。3番パー4。残り150ヤードからの第2打。「逃げんじゃねーと思って打ちました」。1メートルにつけてバーディーで、バウンスバックに成功。4番パー5も連続バーディーとした。「3番から立て直せて落ち着いてゴルフができた」と振り返った。「9回負けてきているので、その経験もある意味あったのかな」。苦い過去を糧とした。
第1ラウンド(R)から首位をキープしたままの完全優勝。ようやくすべてかみ合った。「得意のアイアンが荒れている。どうせ悪いなら」。大会前日のプロアマ戦でアイアンをカーボンシャフトに変更した。第1Rは大会コースレコードタイの63。「今年で一番ショットの精度が良かった」。思い切りが吉と出た。
精神的には“百獣の王”の助言も大きかった。「自分自身にびびって、普通にやれば出ないお化けを怖がってどうするんだろう」。弱い気持ちを克服しようと、オフにメンタルトレーナーの元を訪れたこともあった。今年1月、雑誌の対談で会ったタレント武井壮にも助言を求めた。「勝てなくてもその位置にいるだけで、メンタル強いじゃん」。「一番心に刺さりました。心が軽くなって、優勝争いを見る目線が変わった」。以来、その助言を胸に刻みプレーし続けている。「やっとお化け屋敷から出られました」と笑顔を見せた。
焦りがあった。目覚ましい活躍を見せる同じ黄金世代。「私だけ置いていかれる」。プレーを終えた仲間が初優勝を祝福しようと待っていてくれた。「ずっと待っている立場だったけど、待ってもらえる立場になってみんな泣いてくれて。みんなうまくて刺激になって私も勝てたのかな」。今は感謝の気持ちしかない。
今後の目標は「早く2勝目をあげること。ポイント女王争いに参加できたら」。「賞金女王」に代わる「メルセデス最優秀選手賞」の新女王争いに名乗りを上げた。【近藤由美子】
◆世代別のツアー優勝 黄金世代(98年度生まれ)は高橋彩華で11人になり、並んでいた87年度生まれを上回り最多となった。87年度は有村智恵、笠りつ子、吉田弓美子、原江里菜、穴井詩、服部真夕、アン・ソンジュ、テレサ・ルー、黄アルム、ナ・ダエ。なお92年度は成田美寿々、青木瀬令奈、香妻琴乃ら8人にJLPGAツアーメンバー外の野村敏京、イ・ミヒャンを加えると10人。
◆高橋彩華(たかはし・さやか)1998年(平10)7月24日、新潟県生まれ。父の影響で10歳からゴルフをはじめる。16年日本女子アマ優勝。18年プロテスト合格。新潟・開志国際高では北京五輪スノーボード男子ハーフパイプ金メダル平野歩夢と同学年。20-21年賞金ランキング11位で、トップ10入りは21回。趣味は音楽鑑賞。好きな色は黄色。愛称はさや姉。162センチ、55キロ。血液型A。