西村優菜、今季2勝目「昨年は単独首位で入って5位。リベンジ果たせてスピーチできてうれしい」

ニッポンハム・レディース 最終日 優勝し笑顔でトロフィーを掲げる西村(撮影・黒川智章)

<国内女子ゴルフツアー:ニッポンハム・レディース>◇最終日◇10日◇北海道・桂GC(6763ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

首位から出た西村優菜(21=スターツ)が、逃げ切りで今季2勝目、ツアー通算6勝目を挙げた。

4バーディー、2ボギーの70と2つ伸ばして回り、通算18アンダー、270。従来の大会コース記録の15アンダー、273を3打更新した。スタート時点の2位との3打差は、1打差に縮まったが、後続を振り切った。出場予定のエビアン選手権(21~24日、フランス)、AIG全英女子オープン(8月4~7日、英国)のメジャー2大会に向け、弾みをつけた。

アウトコースの前半は、3番パー5で第3打を2.5メートルにつけ、バーディーを先行させた。バーディーパットこそ決まらなかったが、その後も何度もチャンスにつけ、2位に3打差をつけて折り返した。

後半は10番パー5で、第3打を2.5メートルにつけ、2つ目のバーディーを奪ってスタートした。独走態勢に入るかと思われたが、この時点で4打差に広げていた同組の野沢真央が、11、12番で連続バーディー。すると西村は12番パー4で、第3打のアプローチを寄せきれずに最初のボギー。1打差に詰め寄られた13番パー4も、ラフからの第3打のアプローチを寄せられずに連続ボギーとした。ホールインワン(8番パー3)を奪った第2ラウンドから、単独首位を守ってきたが、ついに野沢に並ばれた。

それでも14番パー5で、悪い流れを断ち切る3つ目のバーディーを奪った。グリーン右のラフから放った、第3打のアプローチは2メートル余り残った。不満の残る表情を見せていたが、バーディーパットを沈めると右手を握り締めて何度も揺らした。野沢もこのホールをバーディーとし、並走は続いたが、明暗が分かれたのは15番パー4。野沢が池に入れるなどしてダブルボギーとしたのに対し、西村は長いバーディーパットを決めた。一気にリードを3打差に広げる会心のパットを沈めると、右手で力強い、大きなガッツポーズをつくった。

その後、野沢が粘って16、17番で連続バーディーを奪い、再び1打差にまで迫られた。最終18番パー4では、第2打を難しいグリーン横のバンカーに入れたが、第3打をピタリと寄せる絶妙なショットを披露。パーで切り抜け、追い上げを振り切った西村は、ウイニングパットを決めると、両手を突き上げて喜びを爆発させ、満面の笑みを見せた。優勝スピーチでは「今日は苦しい展開だったんですけど、たくさんの声援が、すごく力になりました。ありがとうございました」と、ギャラリーに感謝した。

昨年大会は、予選ラウンドを今年と同様、単独首位で通過しながら最終的に5位に終わっていた。それだけに「今年はリベンジを目指して、頑張って、今ここでスピーチできているのが、すごくうれしいです」と、雪辱の思いが決勝ラウンド2日間も伸ばし続けられた要因だと語った。欧州でのメジャー2大会に向けて「再来週からエビアン(選手権)と全英オープン、海外メジャー2試合に挑戦します。海外から日本に、いいニュースをお届けできるように、そして3週間、しっかり頑張って、また強くなって戻ってこられるようにしたいです」と、力強く誓い、大きな拍手を浴びていた。

4つ伸ばして17アンダーの野沢が2位、同じく4つ伸ばして16アンダーのペ・ソンウ(韓国)が3位となった。米国でのメジャー2戦に出場し、国内ツアーは約1カ月半ぶりに出場した、年間女王争い首位の西郷真央は、4つ伸ばして6アンダーで19位。前週優勝の青木瀬令奈と、米ツアーを主戦場とし、国内ツアーは今季初出場の古江彩佳は、ともには4アンダーで26位だった。

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