前週は最終日に首位陥落の7位で悔し涙を流した原英莉花(23=NIPPON EXPRESSホールディングス)が、今週は逆転での今季初優勝を目指す。6バーディー、1ボギーの67で回り、5アンダーの3位発進。大会コース記録を1打更新する、63で回った首位の勝みなみとは4打差だが、優勝をつかみたい思いは今季最高潮に達している。持ち味のショットも飛距離が出てきた。心身ともに充実し、残る2日間で差し切る態勢は整った。
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アゲンストの風を切り裂いた。6番パー5。原はティーショットで全選手ダントツの277ヤードを飛ばし、同組の西村、西郷を置き去りにした。続けて3番ウッドで2オン。15メートルのイーグルパットを60センチに寄せ、楽々と最初のバーディーを奪った。雨の序盤をパーでしのぎ、持ち味の飛距離を生かして伸ばす、スケールの大きいゴルフの真骨頂。雨のやんだ後半は4バーディーを量産した。「あのホール(6番)は、久しぶりにすごくいいショットが打てた。気持ちいい当たり」と、好調ぶりを実感した。
前週は悔しくて涙を流した。第1日から3日間、首位を守ったが、最終日に76と崩れて7位に終わった。5位だった2週間前のCATレディースは、トップ10入り、優勝争いともに3カ月ぶりとあって、優勝を逃した悔しさよりも、復調した充実感が上回った。その上で前週の逆転負けを経験し、今は「前向きになれている。勝ちたい気持ちがある」と力説。昨年11月の大王製紙エリエール・レディース以来、通算5勝目への思いは強まるばかりだ。
最終日に逆転負けした翌日の8月29日は、ジムで約2時間、一心不乱に走り込みとトレーニングを行い、切り替えに努めた。さらに同日夕方には、落ち込む原を気遣った友人からの誘いで、ディズニーランドに向かった。結局、雨が強くなったため「(最寄りの)舞浜駅まで行ったんですけど帰ってきちゃった。電車旅で終わりました」と笑う。そんな周囲の思いやりが、悔しさを忘れさせていた。
逃げ切れなければ、逆転でつかむまで。そんな思いを表すように、全選手ホールアウト後も最後までパッティング練習場に残り、雨の中、一心不乱に打ち込んだ。原の最大のタイトル、20年日本女子オープンも、今回と同じ第1日で4打差3位からの逆転優勝。「攻められるところは攻め、我慢するところは我慢してチャンスを待つ」。今季の長い不振で、逆転に欠かせない我慢強さが今は自然と備わっている。【高田文太】