蝉川泰果「ここまで来たら優勝したい」2位に3打差単独首位 松山に並ぶプロ2戦目最速Vに意欲

15番、バーディーパットを決めてギャラリーに応える蝉川(撮影・丹羽敏通)

<国内男子ゴルフツアー:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇第3日◇12日◇静岡・太平洋クラブ御殿場C(7262ヤード、パー70)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)◇有観客開催

ツアー史上初のアマチュア2勝を挙げ、プロ2戦目の蝉川泰果(21=東北福祉大4年)が、史上初のアマとプロでの同一年優勝を射程圏内に捉えた。2打差の2位で出て、6バーディー、2ボギーの66と4つ伸ばして回り、通算10アンダー、200で単独首位に浮上した。大会2度の優勝を誇る石川遼と賞金ランク3位の星野陸也の2人が3打差の2位で追っている。大会は入場料無料もあって、男女通じて今季国内ツアー最多の1万67人が来場した。 国内男子ツアーで観衆1万人超えは18年5月の日本プロ選手権以来。そんな大勢のギャラリーの中でも蝉川は冷静なプレーでプロ初勝利のチャンスを引き寄せた。

厳しいスタートもすぐに立て直した。1番パー4。ティーショットが右バンカーにつかまりボギー発進。4番パー3では11メートルのロングパットを沈めて初バーディー。何度か曲がったドライバーも5番から修正していった。難易度が最も高い6番パー4。約8メートルを沈めてバーディーを先行させる。「立て直してこういったプレーができて良かった」と手応えを口にした。

プロ初戦の前週は3パットが計10回にも上った。グリーンのスピードとパットのタッチを合わせるのに最後まで苦戦。スコアを伸ばせず28位に終わった。「少しテンポが速いなどの課題がある中、今週グリーンが速いのでそこを調整して。先週の反省が今週につながっている」と明かした。

雰囲気にのまれない強さもある。派手なパフォーマンスでギャラリーを沸かせた同組の中西直人に「全部持っていかれた」と脱帽。「キャディーの子がリラックスさせてくれた」と、何度も笑みがこぼれた。

「緊張はしています」。素直な心境をのぞかせながらも、プロ初Vに意欲を見せた。「ここまで来たら優勝したい。1つでも多くバーディーを取らないと勝てない。今日以上のプレーができるように頑張っていきたい」。プロ2戦目での優勝は、日本人選手では松山英樹が持つ最速V記録に並ぶ。ツアー2勝はいずれも首位からの逃げ切りV。大勢の観衆にも動じない冷静さも含め、プロ初Vは限りなく近い。【近藤由美子】

◆蝉川が優勝したら 同一年にアマとプロで優勝すれば、73年のツアー制施行後では初。プロ転向後、国内ツアー2戦目の優勝は、99年日本ゴルフツアー機構(JGTO)が発足以降、松山英樹の2戦目に並ぶ日本人最速記録。09年からプロとして韓国ツアー参戦の趙炳旻が16年に日本ツアー登録1戦目での優勝が最速。ちなみに、プロ1年目での年間最多優勝は81年倉本昌弘、13年松山英樹の4勝。蝉川が3勝目となれば、2人に次ぐ記録となる。