不調乗り越えツアー5勝目挙げた稲森佑貴の勝ちたい理由、妻が第1子妊娠し来年パパ

優勝インタビューで涙を流す稲森(撮影・上田博志)

<国内男子ツアー:ACN選手権>◇最終日◇8日◇兵庫・三甲GCジャパンC(7295ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝2000万円)

首位と2打差の3位から出た稲森佑貴(29=国際スポーツ振興協会)が、昨年のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品以来となるツアー通算5勝目を飾った。7バーディー1ボギーの66で回り、通算17アンダー271で並んだ宋永漢とのプレーオフを制した。3位から8年ぶりの優勝を狙った近藤智弘は11アンダーの7位。2位から出た池田勇太は75と崩れ、9アンダーの12位に終わった。

不調を乗り越え通算5勝目をつかんだ稲森が涙した。「最終日に大幅に伸ばすことができた。自分のゴルフの状態を振り返って涙しちゃった」。夏以降、大会で調子が持続せず、決勝ラウンドに入ると崩れるパターンが続いた。しかし今回は難しいセッティングだったことが幸いした。「フェアウエーをキープすることだけを考えて」プレーし、スコアを伸ばした。

勝負どころでは失敗を糧にした。1打リードしていた18番で、第2打を奥のラフに外しボギー。プレーオフに。同じ18番でのプレーオフも第1打を右に外し、グリーンが見えない。ラフの難しさを知っていただけに「バンカーに入るのはOKにしよう」と判断。5番アイアンでフックをかけ“想定通り”バンカーへ。そこから寄せてパーセーブし勝負をつけた。

頑張るモチベーションもある。20年に結婚した妻の美穂さんが第1子を妊娠し来年3月の出産予定。「安定期に入って、病院の先生からも妻には動いてもらった方がいいと言われた」と、2週前のパナソニックオープンから観戦。この日も“2人で”見守った。

次戦は過去2勝している国内メジャーの日本オープン。「もちろん勝ちたい」と静かに闘志を燃やした。【阪口孝志】