石川遼「とんでもない人」 23年前、ジャンボ尾崎から受けた衝撃を回顧 日本オープン10日開幕

日本オープン開幕前日に取材に応じる石川

ゴルファー日本一を競う男子ゴルフの国内メジャー、日本オープン(埼玉・東京GC)開幕前日の9日、石川遼(33=CASIO)が少年時代の記憶に思いをはせた。

名門東京GCでの日本一決定戦は、手嶋多一が優勝した2001年以来23年ぶり。当時10歳だった石川少年は、父勝美さんに連れられてコースで生観戦した。鮮明に記憶に残っている風景がある。人だかりの練習場で、父に肩車をしてもらって見えた尾崎将司のショットだ。

「ちょうど真後ろから1球だけ、ジャンボさんの上半身と弾道が見えて。音も聞こえました」

23年前の記憶にはまだ続きがある。ジャンボ尾崎がラウンドを回り始める直前、石川少年は最前列で見詰めていた。その少年の帽子を無言で取ったスーパースターはサインを走らせ、静かに返してくれた。すでにゴルフにのめり込んでいた少年は、人気プレーヤーの振る舞いに感化された。「その日から襟足を伸ばし始めました(笑い)」。

尾崎将司が引き連れていたギャラリーの多さも印象深い。「とんでもない数だった。大歓声だったり、足音だったり、砂ぼこりだったりも覚えている。雰囲気や空気から、とんでもない人なんだと衝撃を受けた」。いまでは自身が耳目を集める立場になった。だからこそ、あの日のジャンボの存在感をあらためて実感できる。

声援に手を振って応えてくれた宮里聖志の姿も色あせない。手嶋多一の優勝シーンも脳裏に刻まれている。「それだけ自分にとって刺激的な時間でしたし、衝撃的な経験だった」。20年以上前に観戦者として訪れたその舞台に、プレーヤーとして立つ。

日本オープンは昨年も含めて2位が3度。今季は6月に約1年半ぶりのツアー優勝を飾ったものの、その後は苦戦が続く。前週も予選を通過できなかった。「まだまだこれから良くしていきたい気持ちがある。そこは焦らずにやっていきたい」と表情を引き締めた。

屈指の難セッティングで争われる今大会。「自分が経験した中では1、2を争うくらい深いラフ。全米オープンで経験したラフに匹敵する感じ」と分析した上で、大会全体の展開について「今までにない日本オープンになるかもしれない」と描く。思い出たっぷりのコースで、見る者の記憶に残る一打を刻む。【奥岡幹浩】