<国内女子ゴルフツアー:アクサ・レディース>◇最終日◇30日◇宮崎県UMKCC(6538ヤード、パー72)
プロ15年目の工藤遥加(32=加賀電子)がツアー初優勝を果たした。1打差の3位から出て、5バーディー、ボギーなしの67で逆転し、通算10アンダーの206。父は元プロ野球選手の工藤公康氏(61)。プロ転向から4991日。家族に支えられての悲願達成だった。2打差の2位が小祝さくら。さらに1打差の3位が河本結だった。開幕から2戦連続2位で首位から出た菅楓華は6位に終わった。
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プロ15年目で初めて優勝の味をかみしめる工藤は、花開いた桜の木の近くで受けたインタビューで「長かったです」とだけ言うと、しばらく言葉が出てこなかった。
後半最初の10番パー5で第3打を2メートルに付け、4つ目のバーディーを奪った。その後は1打も落とせない張り詰めた状況で7ホール連続パー。「優勝を意識すると緊張するので、自分にできることに集中した」と、ピンチにも耐えて食らいつく姿がこれまでの長い苦労を象徴していた。
「雲の上の人」という父親の公康氏はプロ野球で通算224勝を挙げた左腕で、ソフトバンクの元監督。その父が監督を辞めた後、母親がこれからやりたいことを書いてほしいと紙を渡したことがあったという。そこには「遥加を勝たせてあげたい」とあった。厳しかった父の愛情に「ふがいない娘で申し訳ないという気持ちだったけど、絶対勝ってやろうと思った」と涙を流した。
2年前のオフにはソフトボールのビックカメラの合宿に参加。「失敗するのが格好悪いのではなく、チャレンジしないのが格好悪い」との言葉が心に刺さり、改めてプロ意識に目覚めた。遅咲きの初勝利に「50歳までレギュラーツアーでプレー」と大きく夢を広げた。