<米女子ゴルフツアー:AIG全英女子オープン>◇最終日◇3日◇英ウェールズ・ロイヤルポースコールGC(6748ヤード、パー72)◇賞金総額975万ドル(約14億1000万円)優勝146万2500ドル(約2億1200万円)
米挑戦1年目の山下美夢有(みゆう、24=花王)が、待望のツアー初勝利をメジャー大会で飾った。3バーディー、1ボギーの70で回り、通算11アンダー、277。第2ラウンドから首位を守り続けて逃げ切った。
ウイニングパットを沈めると、目をぎゅっとつぶり、万感の表情をのぞかせて両手でガッツポーズ。目から涙があふれた。キャディーとハグをかわした。待っていた西郷真央や古江彩佳ら待っていた日本人選手らからシャンパンファイトで祝福された後、渡されたボトルのシャンパンを一気飲みする場面もあった。
優勝インタビューでは「歴史のある大会でここに立つことができてとてもうれしいですし、ここまですごい長かったですけど、たくさんの方々に支えていただいた。特に家族のみんなには一番近くで支えてきてもらったので、こうして優勝を届けることができてすごくうれしいです」と笑顔であいさつした。
日本女子のメジャー優勝は6人目(7度目)で、全英女子オープンは19年渋野日向子以来2人目。今季は4月のシェブロン選手権を西郷真央が制覇している。リンクス特有の強風に悩まされながらも、4日間安定した力を発揮し、頂点に立った。
前半は4番でこの日初バーディー。8、9番で連続バーディーを奪取。3バーディー、ノーボギーと3つ伸ばし、2位と3打差に広げた。後半は苦しい場面もあった。一時は2位のチャーリー・ハル(英国)に1打差まで迫られた。13番パー5では約5メートルを沈めてナイスパーセーブ。正確なショットとパットで、苦しい場面もしっかりしのいだ。17番パー4でこの日初めてボギーとしたが、そのまま逃げ切った。
日本ツアーでは通算13勝を挙げるなど、22、23年の年間女王。今季から主戦場を米国に移し、すぐに順応している。
150センチ、52キロの小さな体から放つドライバーの飛距離は200ヤード台前半だが、正確なショットやショートゲーム、マネジメントのうまさが際立つ。
ツアー全体(前戦終了時)でフェアウエーキープ率は6位、平均パット数は11位、平均スコアは12位と上位にランクイン。今季は全米女子プロ選手権で6位に入るなど、トップ10はこれで7度目を数えた。
大阪・寝屋川市生まれで高校ゴルフの名門・大阪桐蔭を卒業。既にメジャー大会で優勝した西郷、笹生優花らと同じ01年度生まれの「新世紀世代」の1人で、山下もこの優勝で追いついた形だ。
24年パリオリンピック(五輪)では、メダルに1打届かない4位に悔し涙を流したが、さまざまな経験をメジャー舞台での優勝につなげた。
◆山下美夢有(やました・みゆう)2001年(平13)8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。5歳からゴルフを始める。大阪桐蔭高卒。19年11月のプロテストに合格し、21年KKT杯バンテリン・レディースでツアー初優勝など通算13勝。22、23年年間女王。24年パリ五輪4位。25年から米ツアー挑戦。趣味はカラオケ。150㌢、52㌔。血液型A。