世界の頂に立った“リトルシンデレラ”に凱歌(がいか)が上がった。
女子ゴルフの米メジャー今季最終戦、AIG全英女子オープンで米ツアー挑戦1年目にして初勝利を飾った山下美夢有(24=花王)が5日、千葉・成田空港に帰国して取材に応じた。
到着ロビーに身長150センチの女王が姿を見せると、プラカードを持ったファンたちから「おかえり」「おめでとう」と出迎えられ「まだ帰ってきたばかりだけど、飛行機の中でも優勝のシーンを考えていた」と余韻に浸った。
ドライバーの平均飛距離200メートル台前半は、米ツアー参戦の日本勢13人中12番目。パワー優先の海外の舞台でも、正確なショットからのアプローチやパッティングなど小技で的確に要所を押さえた。最終日も安定感が光って2位に2打差をつけて逃げ切った。
日本女子史上6人目(7度目)のメジャー制覇。特に体格差を言い訳にせず、つかんだアメリカンドリームは日本のゴルフ界にとって大きな希望となった。
「飛距離が出なくても(アプローチやパッティングなど)違うことを練習していけば『絶対に勝てる』っていうふうに思った。プロを目指している子たちも、飛距離だけじゃなくて、そういう技術を高めるためにショートゲームの練習だったり、細かい部分を練習したりしていけば、絶対に上位、優勝に近づける」
大会史上最多となった優勝賞金、約2億1200万円を手にした24歳。今後は8日開幕の北海道meijiカップに出場予定だが「試合もまだまだ続くし、大きな大会に向けて準備したい」と先を見据えた。
19年の全英女子オープン覇者となった“スマイルシンデレラ”こと、渋野日向子が日本に快挙をもたらした時は、まだ高校生。6年の時を経て6人目の女王に紡がれた。美しい夢は、まだその先に有る。【泉光太郎】