全英新女王の桑木志帆と父のきずな 「チームの邪魔しないように」両親は現地観戦もそっと見守る

AIG全英女子オープンを制し、一連の行事を終えてリラックスした桑木志帆(本人提供)

ゴルフのメジャー、AIG全英女子オープンで初優勝した桑木志帆(23=大和ハウス工業)の両親も現地でまな娘の偉業を見守った。

1つ前のメジャー、エビアン選手権は日本国内でテレビ観戦。父の正利さん(68)は「嫁さんが英国に行ったことがないから」と夫婦そろって観戦を決めたという。

徐々に娘が全英女王の座に就いたことを実感している。「大変なことをやったと嫁さんと話しています。インターネットでもいっぱい出てるんでね、桑木という名前が。世界中の人に。桑木姓はなかなかないですから」。

以前、正利さんは国内ツアーに帯同。コースを一緒に回り、プレーを細かくメモしてデータ化していた。「もうメモはしていません。データはチームでタブレット管理しています」。ツアー新人のころは送り迎えなどをしていたが、今はコーチやトレーナー、女性マネジャーがツアーに帯同している。正利さんは23年夏に脳梗塞(こうそく)で倒れた。すっかり元気になったが、帯同せず、今は限られた試合を観戦している。

国内ツアー同様、今回も娘とは完全別行動だった。「チームの邪魔をしない方がいい」。プレーに集中できるよう、夫婦でコースからそっと見守った。

優勝を決めた夜、クラブハウス内で主催者が用意した“チャンピオンズディナー”があったという。「何が食べたいかリクエストを聞かれて、チャーハンとか言ったみたいなんですよね。私たちは先に食べていまして」。一連の行事を終えた桑木は遅れて合流したが、ゆっくり話す時間もなかった。「その後、LINEで『忙しくなると思うけど、体調だけは気をつけて』と送ったら、『了解』みたいな感じでした(笑い)。きちんとおめでとうと言えていないので、今度自宅に帰って来た時にですね」と話した。

勝因については「やっぱりチームですね。1人で勝ち取ったわけではないと思う」とまずコーチやトレーナー、マネジャーらに感謝。さらに「肉体的にも精神的にも成長したと思います」と分析した。

2年前から大好きだったビールを飲まないようにするなど節制に努めて体を絞り、一時期から約15キロやせた。成長について「一度決めたことはまわりが何と言おうとやり遂げる。昔からそういう子です。お母さん譲りです。目標は自分の口から言わない子。いろんな経験が強くしてくれたと思いますね。(これまでの)プレーオフ2連敗もそう」とみている。

桑木は帰国後優勝会見で「両親とショッピングに行く」と明かした。正利さんは「いつもお母さんとはよく行くんですけど、お父さんは別に来なくていい、といった感じで(笑い)。今回はちょっと照れくさいですが楽しみです」と話した。

今年は日本ツアーでの年間女王が目標。来年は米ツアーに本格参戦し、再来年28年開催のロサンゼルスオリンピック(五輪)出場への意欲を示している。正利さんは「なかなか米ツアーを毎試合観戦には行けませんが、行ける時には。(2年後に出場を決めたら)ロス五輪もぜひ見に行きたいですね」。

桑木は「たまには(来季本格参戦予定の米ツアーに)来てほしいですし、ロス五輪も出られたら招待したいです!」。これまでの感謝を込めて、親孝行を続けていく。【近藤由美子】