17大会ぶり5度目の日本一を狙う常翔学園(大阪第1)と、悲願の初優勝を狙う御所実(奈良)の決勝は今日7日、行われる。前日の6日、両校は大阪府内で最終調整を実施。高校日本代表候補7人を擁する常翔学園は、目標スコアを「31-14」に設定。2トライ2ゴール=14点以上のセーフティーリードを保って頂点に立つ。

 決勝とはいえ、単に勝てばいいわけではない。常翔学園の野上友一監督(54)は「まず『31-14』が目標です」と話した。

 根拠はある。ラグビーの得点はトライ5点、GK2点、PG3点…。「何本か(トライは)いかれるでしょうが、それを上回る点数を取ってしまう」と野上監督は説明する。点を取られても、2トライ2ゴール=14点で届かないセーフティーリードをつける-。チーム内で常に目指す理想のスコアだ。

 御所実には昨年3月の近畿大会準決勝で19-21と敗れた。ただし、SH重一生(しげ・いっせい)WTB松井千士(ともに3年)が高校日本代表遠征で不在。スクラムの核をなすフッカー日高将吾(3年)も故障でいなかった。今回はベストメンバーで挑む。

 基本的なゲームプランもはっきりしている。「極力自陣に入れない。FWで時間を使われるし、モールでやられる」と野上監督はいう。鍵を握るのがSO後藤大輔(3年)。近畿大会ではキックを使わず、展開ラグビーにこだわり苦杯をなめた。野上監督に「お前がきっちり組み立てんと試合にならんぞ!」とどやされた。「タッチ、裏を狙ったキックは5本なかったかも…。今度はキックでどんどん敵陣に入るつもり」と雪辱を期す。

 キックでFWを敵陣に入れる。圧力をかける。重、松井らにいいボールが出る…。「31-14」はもちろん、前回優勝時の95年度大会の決勝最多得点「50点」も夢じゃない。当時は前身大工大高として50-10で秋田工を下した。完勝でV。それが夢のシナリオだ。【加藤裕一】