来年のリオデジャネイロ五輪でセーリング、トライアスロン、ボートなどが行われる市東部コパカバーナ地区の水質汚染の深刻な実態をAP通信が独自調査で報道し、米国の専門家が「スプーン3杯分の水が体内に入ればウイルスに感染する危険性は99%」などとした内容に波紋が広がっている。実際に発症する確率は不明という。

 地元の学者らに依頼し、5カ月間にわたって調査を実施した結果、嘔吐(おうと)や下痢、時には脳や心臓の疾患の原因になるヒトアデノウイルスが高い数値で検出された。これは「ほぼ下水と同等」のレベルで、1リットル当たり17億個が検出された場所もあった。米国では1リットル当たり1000個なら警告が出され、遊泳が禁止されるレベルという。医療関係者はブラジル人に比べ、免疫がない外国選手により重い症状が出る可能性を指摘した。

 リオ州環境局の担当者は地元テレビ局グロボに「これまで7年間も水質の検査を続け、常に国際基準をパスしている。競技に支障はない」と反論したが、ブラジルの水質検査は大腸菌群などが中心で、ウイルスは対象外という。3会場とも8月にテスト大会を控えており、選手には不安が広がりそうだ。