偏差値74の医学生ラガーマンが魅せた!!

 慶大医学部に在籍するSO古田京(2年)が50メートルの“ロングDG”を決め、会場を沸かせた。

 12-0で迎えた前半35分。古田は自軍から左足を思い切り振り切り、50メートルDGを決めた。約1万2000人の来場者はスーパーゴールに大歓声を上げた。古田は「日頃から練習していて、風向きも良かったため『決めてやろう』と思いましたが、まさか決まるとは…。5歳からラグビーを始めてDGは初めてです」と、驚きを隠せない様子で振り返った。

 古田のDGで流れは一気に慶大に傾き、前半を22-0で折り返した。しかし、後半に悲劇は待っていた。明大がラインアウトからの攻撃などでボールを支配し、慶大は前半3つだったペナルティーが、後半は9つに増え、ディフェンスが崩壊。3分間のロスタイムは、明大にボールを10分間も保持され、明大の押せ押せモードとなった。最後は認定トライを奪われて、29-31で逆転負けを喫した。「後半の流れを変えられなかった。明治の方が集中力が勝っていた結果で、試合終了までの集中力を高めたい」と古田は猛省した。

 1899年(明32)創部の慶大ラグビー部で、医学部在籍の部員は初めて。慶応高3年時に花園に出場し、高校日本代表にも選出された逸材だ。

 慶大はこの日の敗戦で通算3勝2敗とし、優勝争いから後退した。