10月の世界選手権(カナダ・モントリオール)代表選考を兼ねた全日本種目別選手権(24、25日、高崎アリーナ)の公式練習が22日、会場で行われた。

 あん馬の13年世界王者で、同種目一本で20年東京五輪を目指す亀山耕平(28=徳洲会)は、何度も丁寧に演技を確認。「きつい練習をつみ、圧倒的なスタミナをつけてきた。心身ともに余裕のある状態」と自信を口にした。

 リオデジャネイロ五輪代表落選後、1度は引退を決意したが、昨年12月に現役続行を決断。さらに今年4月の結婚を経て、体操に向かう気持ちはがらっと変わった。「ずっと何のために体操をやっているんだろう、と思っていたが、今は目的がはっきりしている。極論ですが、家族と幸せになりたい。幸せに向かうためには、僕は体操で成果を出し続けたい」と、今の素直な思いを語った。

 4月の全日本選手権で15・250、5月のNHK杯でも14・900点といずれも高得点をマーク。今大会の結果も含めた上位者で合宿を行い、9月に種目別4人の代表が選出されるが、亀山は有力選手の1人だ。14年も世界選手権代表だったが、種目別では決勝に進めず、団体でも銀に終わった。その後2年間は代表入りを逃している。「清算したい、とずっと思ってきた。あの時の自分を超えていきたい」。28歳のベテランが、いま充実した“2度目”の体操人生を迎えている。